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デート♡デート♡デートpart2②

両手で口を塞ぎ声を抑えようとしても、継にやんわりとその手を外される。 思わず抗議の視線を向けるが、眉間に少しシワを寄せて悲しそうな瞳で見つめられると、それもできなくなる。 狡い。 俺がその目に弱いのを知っていて、そんな顔をして。 「…継…」 堪らず名前を呼ぶと、甘い匂いが降り注いでくる。 「詩音、愛してるよ。」 俺だって!俺だって負けないくらいに愛してるんだからっ! すんすんと鼻を蠢かした継は、うれしそうに俺を見て言う。 「詩音だって俺のこと愛してるだろ? 飛びっきりの甘い匂いがしてるよ。」 匂いは嘘をつかない。 諦めて、恥ずかしさを隠すように両手を継の首に絡めて、首筋に鼻を埋めた。 大きく深呼吸して大好きな匂いに満たされる。 この時間が大好き。 「継、勿論愛してますよ。」 破顔した継の顔がゆっくりと近付き、口付けをかわそうとしたその瞬間 ふぇーーーーーん! 唇が重なる数ミリ手前で、俺達の動きが止まった。 「くそっ、仁のやつ…一度ならず二度までも…」 悔しそうな継の顔がおかしくて笑い出した俺に 「しおーん…またお預け?」 「(くすくすっ)そうみたいですね。」 俺は継の鼻先にキスをして抜け出すと、仁の元へ。 オムツは…うん、ちゃんと替えて。 急いでミルクを作り、愚図る仁に飲ませてやると、勢い良く飲み干した。 大きなゲップをした仁は、目を瞑り口をもぐもぐ動かしている。 背中をとんとんと叩きながら、そっとささやく。 「ねぇ、仁。いい子で ねんねしてね。 パパが拗ねちゃったらあとが大変だから。」 満足したのか、小さな寝息が聞こえてきた。

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