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デート♡デート♡デートpart2⑥

継と俺との微妙な温度差のまま迎えた週末。 例の如く定時より少し前に退社してきた継は、俺の手を引っ掴むと車に押し込んだ。 仁やお義母さんに『行ってきます』を言ったか言わないかに連れ出された俺は、こうなると分かってはいたものの、継の相変わらずの横暴さに不快感を覚えていた。 継は…ハイテンションで鼻歌まで飛び出す始末で、俺の不愉快な匂いには気付いていないらしい。 暫くすると、ハッと何かに気付いた継が、恐る恐る俺に尋ねてきた。 「…詩音?何か怒ってるよね?ごめんね? また、やらかした…よね?」 さっきまでの意気揚々、俺様継は何処に行ったのか、見事に耳と尻尾が垂れた大型犬の出来上がりだ。 まだムカムカが治まらない俺は、真っ直ぐ前を向いたまま、無言を貫いている。 ただ…不愉快な匂いと呆れ返った…そんな匂いがしているだけ。 ウインカーを上げ、スーッと路肩に寄せて停車した継が、俺に向き合った。 「うれし過ぎて早く二人になりたくって、焦って出てきてしまった。 ごめん。 俺、仁にも『ママを独り占めするからな』って言ってこなかった。 詩音の嫌がることしてしまった…ごめん。 でも、俺、凄く楽しみにしてたんだ…」 継は大きな身体を縮こませて、ひたすら詫びている。 “ゴメンナサイ”の匂いが溢れ返り、俺の匂いを包み込んで消し去っていく。 はあっ…と大きなため息をついて 「継の気持ちはよく分かります。 俺だって、二人きりになりたかった。」 「詩音」 「でもっ!俺は何処にも行かないんだから、少しは落ち着いて行動してほしいですっ! この間と同じ…あんな状態で出てきて…酷い。」 「…ごめんなさい。」 継は、それ以上の言い訳をせず、ひと言謝ったっきり、黙ってしまった。

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