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溢れ出る思いside:継⑩
ゆっくりと優しく抱いてやろうなんて思いは、すっぱり何処かへ消えてしまっていた。
詩音の感じるところなんか熟知している。
全て俺が見つけ開発したんだから。
ほら、ココも、ココも。
まだまだ感じるところを見つけてやるよ。
甘噛みをして時々歯を立てて跡をつけ、吸い付いては赤い印を残していく。
俺だけの愛しい番。
乱れて啼くのは、俺の前だけ。これまでもこれからも。
詩音の身体を引っ繰り返し、足を大きく開かせ、甘く喘ぐ詩音の腰を掴み楔を打ち付けて、中の襞を擦り潰す勢いで抽挿を繰り返す。
俺の形に馴染んだ詩音の肉筒は、まるで生き物のように纏わり付いてくる。
あまりの気持ち良さに、我慢できずに爆ぜてしまった。
それでもすぐに固さを取り戻す俺自身に、詩音がヒクッと喉を鳴らした。
動く度に、詩音の後孔からはひっきりなしにぐちゅぐちゅと滑った音が聞こえ、甘ったるい匂いに頭の芯まで痺れてくる。
「…継…もう、ダメ…」
と、詩音が息絶え絶えになるまで掻き抱き、何度も己の欲を吐き出した。
言葉は拒否しても、きゅうきゅうと締め付ける後孔と詩音の中は、俺を引き止めて離してはくれない。
「…詩音っ、詩音…詩音…」
中に俺自身を埋め込んだまま、意識を飛ばし答えのない身体を抱きしめる。
愛おしさが溢れる。
愛し過ぎて涙が零れ落ちてくる。
この想いをどうやって伝えれば良いのか。
誰か教えてくれ!
ようやく落ち着きを取り戻した俺は、ゆっくりと詩音の中から抜け出した。
ごぶっ、という音と共に大量の白濁液が零れ落ちていく。
詩音はぐったりと目を閉じたまま動かない。
また抱き潰したか…ごめん、詩音。
頬を流れる涙を拭い、そっとキスを落とした。
詩音、愛してるよ…
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