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愛し合う夜side:詩音③

唇への慈しむような優しい優しいキス。 触れたところから継の思いが浸透してくるようだ。 愛おしい…この人を守りたい…そんな思いが溢れてきて、継の髪の毛に指を絡め優しいキスに溺れていく。 「あっ…継…んふっ…」 声は自然と上ずり、肺は継の甘い匂いで満たされていく。 約束通り、継は俺の身体をゆっくりと撫で摩り、先程の交わりのように決して激しく求めてはこない。 ひたすらに優しい手の平の動きと、耳の後ろから順に下に降りていく継の唇が生き物のように肌を滑り、気持ち良くてふるふると震えが止まらない。 それを焦ったく思う己のいやらしさを自覚した途端、体温は急激に上昇し、じわりと汗を纏う。 その匂いを犬のように嗅がれて、羞恥のあまり肌が赤く染まる。 「…いい匂いだ…甘くて優しくて、俺を包み込んでくれる…」 継の呟きが聞こえたと思った瞬間、乳首に吸い付かれた。 「んくっ」 仁に吸われるのとは全く違う性的な快感に、背中が仰け反った。 びちゃびちゃとワザとみたいに音を立てて、俺を煽っていく継に『もっと、もっと』と強請るように胸を押し当てる。 継は片方は唇で、片方は指で摘まんで、くにくにと捻ったり押し潰したりするが、決して強い力ではない。 どちらかといえば、その動きは限りなく柔く丁寧で優しい。 胸を押し付け嬌声をあげ、継を煽っているのは俺。 意識を飛ばすくらいにガツガツ奥を突かれるのもいいけれど、今みたいにもどかしいくらいに優しく抱かれるのも好き。 吐息は桃色に弾け、濃いフェロモンが俺達に降り注いでいる。

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