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愛し合う夜side:詩音④

愛液が、後孔からとろりと溢れ出した。 身体の奥からじゅわりと潤っているのが分かる。 それに気付いた継は、そこに指を当てて、とんとんとノックする。 粘つく愛液が継の指に絡み付き、糸のように繋がり滑った音を立て始めた。 その頃にはもう、継がほしくてゆるりと揺れる腰の動きを止めようもなく、そんな俺を継はうれしげに見つめている。 「…詩音、俺がほしいか?」 悔しいけれど言葉にできずただ頷く俺に 「お望み通り…優しく抱くよ。」 前髪をそっと掻き上げられ目を閉じたその瞬間、ぐぷぷぷっと音を立てながら、ゆっくり継が中に入ってきた。 「ひうっ」 激しい交わりの余韻が残るそこは、難なく継を飲み込んでいく。 そしてすっぽりと継の形のままに根元まで咥え込んでいた。 ほおっ、と息を吐いた継が 「詩音の中、最高に気持ちイイよ。 俺の形を覚えてる…イイ子だ…」 継は俺の髪の毛を撫でながら鼻先をちょんと合わせ、俺の中に収まったままで動こうとはしない。 ??? 何故?どうして動いてくれないの? “優しく”って俺が言ったから? 焦りと不安とこの先の快楽を求める俺からは、雑多な匂いが流れ始めた。 「うっ」 突然継の呻き声が聞こえた。 「…継?」 「あっ、あんまり締めないで…すぐイきそう… ヤバい… …詩音…詩音の中、吸い付いてくる。 俺のこと『ダイスキ』って愛撫してくれてるみたいだよ…」 「しっ、締めてなんかないからっ!」 恥ずかしさのあまり両手で顔を覆ったが、継の焦った言い方がかわいくて、意地悪したくなった。 下半身に少しずつ力を入れて… 「あっ」 全身に力を込めた継が声を上げぶるっと震えた瞬間、お腹の中がじんわりと熱くなった。 顔を赤くした継は 「詩音…暴発しちゃった…」 そう言いながら腰を動かし始めた。

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