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愛し合う夜side:詩音⑦

ひたすらに、ただひたすらに優しく身体を開かれていく。 改めて思う。 運命の番――都市伝説ではなく、本当に存在したんだ。 その相手と巡り会えた俺は本当に幸せだ。 ぐぷっぐぷり 再び継の楔を飲み込んでいく俺の身体は、嬉々として花綻んでいく。 「詩音、俺を受け取れ。」 絶対的αの命令が心地良く響く。 艶然と微笑んで両手を伸ばすと、しっかりと繋ぎとめられ継の膝に乗せられた。 「ひうっ」 「詩音、自分で動いてごらん。 加減して、イイコトコロに当てるんだ。」 「そんなこと…」 「大丈夫。今までもやってるだろ? 恥ずかしがることはないからやってごらん。」 継は俺の腰を支えて動かし始めた。 楔が突き刺さったまま固定され、少しでも動くと弱い部分に当たってしまう。 その度にびくびくと跳ねる身体を宥めるように撫でられて、気が遠くなりそうになる。 「けいっ、むりっ!できないっ…」 涙声で懇願しても 「詩音はいい子だから、ちゃんとできるよ、ほら。 少しずつ…そう、上手…その調子で上に…下がって…できるじゃないか!」 継は俺の中に入ったまま腰を掴んで揺らしてくるから、抜け出せない。 両腕を継の首に絡ませて、浅い息を吐きながら甘い吐息を口にする。 「あふっ、け、いっ、やんっ…んふっ」 ぽろぽろと零れ落ちる涙を指で拭い取られ、濡れた指先で乳首を摘まれた。 「ひゃん!」 「かわいい、詩音。」 ちゅう、と吸い付かれて頭が真っ白になっていく。 何度となく繰り返される愛の行為。 継のための、継に愛してもらう身体。 俺の中はすっかり潤んで、しっとりと継を包み抽挿を手助けしている。 継に馴染んだ身体は、蠢きながら花の匂いを撒き散らして奥へ奥へと導いている。

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