772 / 829

愛し合う夜side:詩音⑧

ホシイ ホシイ ケイガホシイ ハヤク ハヤク ナカニダシテ Ωの本能に支配されていく。 僅かに残った理性も瞬く間にかき消されて、継だけを求める獣になった。 ぐじゅっ、じゅくっ いやらしい音と甘ったるい匂いが部屋に立ち込めていく。 「あっ、けいっ、あんっ、もっと…はんっ」 口の端から零れ落ちる唾液を継が舐め取り、唇を塞ぐ。 鼻呼吸では息苦しくて、酸素を求めて嫌々と首を振る俺を継が下から突き上げる。 「ああっ」 背中を仰け反らせ、甲高い声をあげた。 中の襞を潰し奥まで突き刺されて、意識が飛びそうになる。 マダ タリナイ モット モット お喋りなフェロモンが煽り囃し立てる。 それに答えるように、継の突き上げが加速する。 リズミカルに跳ねる俺の身体は、継の思うように動かされている。 中から溢れ出る愛液と継が中出ししたものが混じり合い、繋がった入口は白い泡を噴いていた。 奥から何かぞくぞくと走る快感がせり上がってきて、思わず継に縋り付いた。 「詩音?」 「…怖いっ、何か…クルっ!」 ふっ、と微笑んだ継は俺を抱え直し、更に腰を打ち付けてくる。 「大丈夫。俺に合わせて…そう、上手…詩音、愛してるよ。」 『愛してる』の言葉が引き金となり、先端に全ての感覚と意識が集中したかのように溜まりきって、爆発した。 「あああーーーっ!!!」 全身を痙攣させて背を逸らし、継のお腹に白濁液を吐き出した俺は、全体重を掛けて継を咥え込み、その熱量を最奥で受け止めた。 熱い…熱い…お腹の中が継で満たされていく… 全力疾走したアスリートのように息を荒げて、くったりと継にもたれ込んだ。

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!