775 / 829

俺か仕事か、どっちだ!?①

ラブラブデートから一週間が経った。 継のご機嫌の良さは続行中で、お義母さん曰く 「単純馬鹿。脳内お花畑。」 等と辛辣な言葉を浴びせられても、片方の口角を上げて笑って済ませる余裕っぷり。 一体、何がご機嫌の元になったのか、俺にはさっぱり分からない。 喧嘩したとはいえ、いつものデートのように過ごしただけなのに。 でもまあ、気分良く過ごしてくれているのならそれでいいか、と相変わらず俺を構い倒してくる継のお相手をそこそこにしていた。 それと相反するように、お義兄さんと右京さんは、最近口数も減って何となく不穏な匂いを漂わせていた。 二人から今まで感じたことのない、苛立ちやら不満やら、マイナスの嫌な匂いがすることもあった。 だから、ずっと心配していたんだ。 右京さんは、仕事の日は毎日バタバタと慌ただしく、気力も体力もフルスロットルで使い果たして帰ってくるから、気持ちにも余裕がなくなってる。 ご飯を食べ終わると「お休みなさい」と部屋に篭ってしまう。 お義兄さんはきっと右京さんとの時間を作りたいんだろうけど、拒否されてるっぽい。 優君は…保育園でみんなと遊んで発散できるからなのか、マイペースで愚図りもしない。 そろそろ約束の1カ月がやってくる。 右京さんは仕事を続けたいのだが、お義兄さんにはまだ伝えてないと言ってたっけ。 こんな調子で大丈夫なんだろうか。 右京さんも働く形態を変えたいと言ってたから、あと少しだけどもっと時間を短縮するとか、週何回って働く日数を限定できないのか。 右京さんの身体も心配だけど、お義兄さんも色んな意味で我慢しているみたいだし。 継に相談…いや、ダメだ。やっぱりお義母さんだ!

書籍の購入

ともだちにシェアしよう!