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思い合う夜 side:右京②
潤に抱きしめられ触られて、次第に気持ちが凪いでくる。
潤…俺の大切な大切なひと。
俺がどれだけ思っているのか知らないだろう?
いつも冷たくあしらってるもんな。
俺は…もう、お前なしでは生きていけないんだ。分かれよ、それくらい。
あの時…
床に座り込み声を堪えて泣き崩れるお義母さんを見て、心臓を握り潰されたような痛みが走った。
自分の大切な番が自分の元から永遠にいなくなるかもしれない…どんなにショックで怖くて悲しくて…そして、それに気付かなかった自分を責めていた、お義母さんの気持ちが痛い程に伝わってきた。
同じように身体を震わせて泣く詩音君の気持ちも、雪崩れ込む“色”が物語っていた。
抱き合って泣きながら思いを共有していた。
ただ抱き合って慰め合うしかなかった。
俺達は、何の力もないΩ。
そんなおれたちに一体何ができるんだろう。
無力な己を呪って責めていた。
お義父さんを助けてほしい、誰か助けて!
何かの間違いであってほしいと、まめちゃんの時のように祈り続けた。
それが…お義父さんの勘違いと思い込みという、ギャグみたいな結末になった。
今だから笑い話で終わるけれど、それがもし本当だったら…と思うとぞっとして身震いする。
もし、もし、それが潤だったら…俺は…
「右京…右京?心配いらないから、もう泣くな…俺はここにいるから。」
宥めるような声音で強く抱きしめられる。
「潤…」
たったひと言名前を呼び、きゅっと抱き着くと
「俺はお前の側にいるよ。怖い思いをさせて悪かった。
…俺をちゃんと感じたいか?」
言ってる意味が分からなかった。
訝しげに視線で問うと
「お前が安心するようにしてやるよ。」
潤はそう言うと、あっという間に二人の着ているものを剥ぎ取った。
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