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思い合う夜 side:右京③
まさか“抱き合う”ってこと!?こんな時に?
「ちょっと、じゅ、んっ」
文句を言い掛けた口を塞がれた。
ぬるりと入り込んだ舌先に蹂躙される。
ダメだっ!
力一杯腕を突っ張って、潤から逃げた。
「待って!こんな時に、そんなことで誤魔化すようなことするなよっ。」
「誤魔化そうなんてしてない。」
再び力強い腕に抱きしめられた。
顎を掴まれ、じっと瞳を見つめられる。
「右京、愛してる。俺に全て委ねろ。」
絶対的αの威厳を持った声音が鼓膜を震わせる。
キラキラと慈愛に満ちた美しいカラーに包まれた潤は、天から降りてきた大天使のようだ。
抗えない。
逆らえない。
抱かれたい、抱きしめたい。
Ωの本性が顔を覗かせてくる。
「潤…」
潤んだ目で見つめると、キスで返してくれる。
俺からも『キラキラ』が放たれ、二人を甘い匂いが包む。
番にしか分からない甘くて蕩けるような匂い。
「右京、愛してる。」
たった、そのひと言が心に突き刺さる。
愛されている。求められている。
唯一無二の番に。
「潤…」
もう、我慢できない。完全に潤に酔っている。
解けきった心と身体が潤に絡み付いている。
それを優しく受け止める目の前の番が、蕩けるような笑みで俺を誘う。
「右京、お前を感じさせて…」
もう、我慢できない。
潤の頬を両手で挟み、キスを仕掛けた。
一瞬目を見張った潤が、口の端で笑うのが分かった。
「愛してるよ、右京…」
ぬるりと滑り込む舌先を従順に受け入れると、それはすぐに暴れ出した。
ぐちゅぬちゃといういやらしい音が耳に響く。
自分の力で立っていられなくて思わず潤にしがみ付くと、逞しい腕で支えられて、膝の裏を救われた。
ふわりと宙に浮いたままベッドに運ばれて、静かに横たえられた。
心臓が恐ろしいくらいに跳ねている。
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