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思い合う夜 side:右京⑤
俺の身体を弄り愛撫を繰り返す潤からは、いやらしくて神々しいオーラが振り撒かれていた。
最早、理性は粉々に砕け散って、潤と身体を繋げることしか考えられなくなってきた。
焦れったい。
違う、もう少し左…もっと強く弄って…
「あんっ…」
そう、そこ…あっ、気持ちイイ…
「あっ」
潤がお腹の傷跡に唇を這わせてきた。
思わず身体を捩り、手で隠して傷跡を隠そうとした。
その手をやんわりと退かされて、またキスされる。
「潤、そこは…止めて…」
「痛いのか?」
「違う…綺麗じゃないから…」
潤はキスを止めて、俺の顔をじっと見つめてきた。
「俺にとっては、愛おしい傷跡だ。
右京が痛い思いをして優を生んでくれた、尊い印なんだ。
だから隠さなくてもいい。俺は精一杯愛したい。」
そう言うと、また口付けてきた。
「潤…」
潤の柔らかな髪に指を差し入れて撫でる。
何だか涙が出てきた。
そんな風に思ってくれてたなんて。
醜い傷跡が、突然美しい物に見えてきた。
「潤…」
思いを込めて愛おしい番の名前を呼んだ。
潤は上目遣いで俺を見ると、ふっと微笑んだ。
「右京、お前だけを愛しているよ。」
その言葉だけで、俺は軽く達してしまった。
びゅくりと飛び出した少量の白濁の液は、潤の頬を汚してしまったようだ。
「あっ、潤!ごめんっ、俺っ!」
慌てて起き上がりオロオロしながら謝る俺を見つめ、それを拭い取った潤はうれしそうに笑った。
「お前にマーキングされるなんて、番冥利につきるな。」
そして再び俺を寝かせると、足を大きく広げさせ、白濁液を後孔に塗り込めていった。
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