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思い合う夜 side:右京⑧
何かが俺の顔に触れている。ふふっ、擽ったい…それに俺の好きな甘い匂い…潤だ。
「…潤…」
「おはよう、右京。身体痛くない?大丈夫?」
「潤、おはよう…ん…多分大丈夫。」
「無茶させてごめん…でも、俺、そうしたかったから…」
「…うん、分かってる…んっ」
そっと潤に唇を塞がれた。
夕べの激しい行為が嘘のような、穏やかな触れ合い。
甘やかな匂いと慈愛のカラーを纏い、名残惜しげに離れてゆく唇を目で追うと、潤がふっ、と微笑んだ。
「右京…その顔、ヤバい。」
「えっ…俺、どんな顔してるの?」
「色っぽくて切なくって蕩け切った顔。
…ねぇ、俺以外にそんな顔、絶対に見せちゃダメだよ。」
「見せる訳ないじゃんっ!
俺は、俺は…潤だけな、んっ」
また唇を塞がれた。今度は荒々しく。
潤の激しいキスを受け止めながら、俺はいつもの事後とは違う身体の変化を感じていた。
何かが変わっている。
はっきりとその“何か”が何なのかは分からないけれど…もしかしたら、ひょっとして…
もし、もしそうなら…ううん、きっとそうだ。
「あっ、ちょっと、潤、やだっ」
逃げを打つ俺の身体を抱きかかえた潤が、俺の身体のあちこちに吸い付いている。
その後には、薄っすらと赤い花びらが舞い始めている。
「潤…ちょっと、止めて…」
「右京は俺のものだから。
ちゃんとマーキングしておかないと、誰かに盗られたらどうすんの!?
ほら、大人しくして。」
「何馬鹿なこと言ってんの!?
ほら、もう離して…起きる時間だから…んっ、潤…優が目を覚ますから…あっ」
潤は執拗に俺の身体を花びらで満開にしていく。
身体も引っ繰り返されて、前も後ろも凄いことになっていた。
ようやく満足したのか、やっと唇を離した潤は、俺の顔をじっと見つめている。
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