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エピローグ②

「ただいまー!」 「あっ、ぱぁぱ!おかえいー!!」 玄関に駆け出していった仁を抱っこして、継がリビングにやってきた。 「お帰りなさい、継。お疲れ様でした。」 「詩音、ただいま。」 ちゅっ あぁ…油断も隙もないんだから… 「ぱぁぱ、ちゅーっ!」 ちゅっ きゃはははっ! 「おっ、明日の準備か。仁、お友達沢山できるといいな。」 「あいっ!」 「うん、いい返事だ。 詩音、明日は俺も一緒に行くから、心配しなくてもいいよ。」 「えっ、でもお仕事は…」 「篠山さんが段取りしてくれたし、今日のうちに片付けてきたから、遅れても大丈夫。 荷物もあるし、その方が安心だから。」 「…そうしてもらえると俺も助かるんだけど…でも」 「仕事には差し支えないよ、奥様。 仁、風呂に入ろうか。」 「あいっ!」 継はまた俺にキスをすると、笑いながら仁を連れて行ってしまった。 「ただいまー!あれ、継君今日早かったんだね。」 「右京さん、お帰りなさい!残業お疲れ様でした。 優君、お帰り!」 「しいお、ただいまー!ちびた、ただいまー!」 「お義母さんは?もう行っちゃった?」 「はい!予定時間よりも早く帰ってきたお義父さんともう行っちゃいました。 家の中、甘い匂いで鼻が曲がりそうだった…」 「あははっ、それは災難だったね。 仕方ないか、デートだもん。 あ、ご飯の用意手伝うよ!」 「大丈夫です!後はお味噌入れるだけで。 お義母さん、物凄いスピードで全部やってくれて…俺の出る幕なかったんですよ…」 「あははっ。デート効果恐るべしだな。 仁君、明日から保育園デビューだろ? 俺、一緒に荷物持って行くから。」 「あ、継が行ってくれることになったんです。 右京さんも一緒に行きましょう!」 そう言うと、右京さんはニヤニヤ笑っている。

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