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エピローグ③
ふんわりと揶揄いを込めた優しい匂いがした。
「ふふっ、相変わらずラブラブだね。
俺は潤に送ってもらうから、道中少しでもデート気分を味わいなよ。」
右京さんがこっそりと耳打ちしてきた。
「俺、明日ね、お休みなんだよ。
それで優のお迎えの時間まで、潤とデートしてくるんだ。
だから、別々で…ね?」
あぁ、そういうことか…頷きながら小さく指でオッケーサインを出した。
頬を赤らめウインクした右京さんは、とってもかわいらしかった。
「おーい、優!明日から仁君保育園一緒なんだ。
ちゃんと面倒みてあげるんだよ。」
「うん!だいじょうぶ!おれ、おにいちゃんだから!」
「ふふっ、優君、よろしくね。」
「うんっ!」
「ありがとう!優君がいるから安心だよ。」
得意気に笑う優君は、すっかりお兄ちゃんの顔になっていた。
「おーい!しおーーん!仁上がるよーっ!」
「はーーいっ!」
バスタオルを片手に、転ばないよう気を付けながらバスルームへ急ぐ。
湯気でほこほこの仁が待っていた。
「まぁま!」
「お待たせ!綺麗になったね。自分で洗えたのかな?」
「ぱぁぱ!」
「自分でも洗えたよな、仁?」
目の前に逞しい身体が現れた。数え切れないくらいに何度見てても見慣れない、ドキドキする。
目のやり場に困ってふいっと顔を背けると、見せつけるようにワザとのように視界に入ってくる。
それを無視して継に背を向け、甘えてくる仁を構いながら拭き上げ着替えさせる。
途端に拗ねるような甘い匂いが背後から纏わり付く。
知らない。仁がいるのにそんなことしてくるなんて。
少し腹を立てていると、リビングから賑やかな声が聞こえてきた。
お義兄さんが帰ってきたんだろう。
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