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穏やかな日に②

後部座席では、仁と涼が何か話している。 涼の宇宙人のような言葉を仁は理解しているのだろうか。 くすくすっ 「詩音、どうしたんだ?」 「ふふっ。二人が何か話してて、それが会話になってるのがおかしくって。 涼は『まんま』とか『だぁだ』とか片言しか喋らないのに、仁がちゃんと答えて会話してるんだもの。」 「そうだな。チビ達にはチビ達にしか分からないコミュニケーションがあるんだろうな。」 そう言って継も笑っている。 俺達は四人家族になった。 二度めのお産はとても軽かった。 予定日よりもかなり早く、陣痛が始まってから、病院に着いて僅か30分で終わってしまった。 名前は“(りょう)”。この子のバースも…αだった。 みんなの愛情を一身に受けて、すくすくと育っている。 臨月に入りお腹が目立ってきた右京さんや優君もよく相手をしてくれ、お陰で今のところ人見知りもない。 構いまくられるせいか、賑やかな場所が大好きで、誰かがいないとすぐに泣いてしまう甘えん坊だ。 あと少しすればまた一人加わって、お義母さんも大忙しになるんだろうな。 まめちゃんが見守ってくれてるお陰なんだろう、みんな元気だ。 ふと窓の外を眺めた。 どこまでも続く青空に、飛行機雲。 綺麗… 何だか眠くなってきた。毎日の寝不足に加え、心地良い振動が俺を夢の中へ引き込んでいく。 「詩音…詩音…着いたよ。」 「まぁま、起きてー!」 「まーまー、だー!」 「あっ、ごめんなさい!寝ちゃってた!」 慌てて目を擦り、俺を覗き込む三人の顔を見た。 「よく寝てたからね、起こすのかわいそうだったんだけど…せっかく来たからさ、ね、仁、涼。」 「うん。まぁま、だいじょぶ?」 「大丈夫。心配させてごめんね。 車の揺れが気持ち良くって…つい寝ちゃってたよ。 さ、行こうか!」

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