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出会い:side 継②
「…やっと見つけた…」
詩音を見つめたまま、じりじりと距離を詰めていく。
「あ…あっ…あのっ…」
動きが止まって固まった詩音が潤んだ目で俺を見上げている。
あぁ、かわいい…なんて愛おしいんだ…
抱きしめたくて逸る心を必死で抑え、できるだけ優しくゆっくりと話しかけた。
「怖がらないで…俺の唯一無二の番…詩音…俺の大切な番。
あぁ….やっと、やっと会えた…
『大丈夫』だから…おいで…」
強まる香りに戸惑いつつも俺が手をそっと伸ばすと、詩音は大きな目を見開いて「…番?…大丈夫って…?」と小さな声で呟きながら、遠慮がちにその細っそりとした手を重ねてきた。
触れた途端に身体中を流れる甘く痺れる電流。
俺は詩音と重ねた手を引き寄せると、堪らず優しく口付けた。
「うむっ…んんっ、んっ」
二人の間で弾け飛ぶ濃厚な香り。
柔らかな唇。シルクのような滑らかな肌。
吐く息も零れ落ちる唾液も何もかもが甘く、俺を狂わせていく。
唇を軽く噛み、こじ開けた薄い唇の隙間に滑り込ませた舌で上顎をなぞると、最初は抗っていた詩音も次第に大人しくなり、身体をヒクつかせて可愛らしい啼き声を上げる。
そんな詩音の反応に気を良くして、口内を散々しゃぶり倒し、はっと気が付いた時には、詩音が息も絶え絶えになっていた。
足にも腰にも力が入らないのか、くったりと俺にその身を任せている。
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