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結ばれた番④
しばらくすると、すんすんと鼻をすする音が聞こえ、俺は手を伸ばしてティッシュケースを手繰り寄せ、詩音に渡してやった。
「…ありがとうございます…」
小さな声でささやくように言うと、詩音は横を向いてそっと鼻をかんだ。
「…あの…」
「ん?どうした?落ち着いたか?」
「…はい…あの…俺なんかと…番契約しちゃって…いいんですか?」
「はあ?何言ってんの?
詩音、お前だから…お前としかしないから。
一生守るって、俺のものだって言っただろ?
…聞いてなかったのか?」
「…ごめんなさい…何かもう…ぼぉーっとしちゃって…」
俺はこのかわいい生き物をぎゅうぎゅう抱きしめる。
「誰が何と言おうと、俺とお前はもう離れられない。
離すつもりも毛頭ない。
何処かに逃げたら追いかけて捕まえて監禁してやる。
…詩音、愛してるよ…やっと会えた俺の伴侶…
俺の側にずっといてくれ。
そして
俺を一生…いや永遠に愛してくれ…」
俺の腕の中で、また詩音が震え出した。
ぐすっ…うぐっ…うぐっ…
え、えっ?また泣かせた?
二度めのプロポーズも…撃沈か??
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