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結ばれた番⑤

俺はまたもやオロオロと詩音を抱きしめ、宥めるように頭を撫で続けた。 「詩音、頼む…泣かないでくれ…お前が泣くと、胸が…痛い。」 「…ぐすっ、ご、ごめんなさ…ぐずっ。 ごめんなさいっ…えぐっ、ぐっ」 泣きながら謝る詩音。 もう、このまま喰っちまいたいくらいにかわい過ぎる。 「…こんな、こんな俺に…番が現れるなんて…結婚できるなんて…嘘みたい…ひくっ 俺は一生一人で…一人で生きていくんだって…決めてたから…」 あー、もう愛おしくって堪らない。 香川先生が言ってた『自己否定の感情』が発動してるのか。 こんなに愛らしくて綺麗で美しくって控えめで頭が良くって性格もいい、エッチの時には妖艶に乱れて俺を骨抜きにしてしまう…かわいい詩音。 たっぷりとかわいがって二度とそんなこと言えないようにしてやるよ。 俺は詩音の涙を舌先で掬って舐め取り 「俺達は『運命の番』だ。 俺にはお前しかいないよ、詩音。 不安なら何度でも言ってやる。 愛しています。 俺と、結婚して下さい。」 詩音の顔がくしゃりと崩れたかと思うと、大粒の涙が溢れ、わあわあと大声で泣き出した。 俺は子供のように泣きじゃくる詩音を抱きしめながら、彼が生まれてから抱え込んできた様々な思いが溶けきって、俺の愛で満たされるようにと願うばかりだった。

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