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俺達、結婚します②
5コール目で呑気な声が聞こえてきた。
「優秀な我が息子よ、何かあったか?」
「偉大なる親父殿、今どこです?時差大丈夫ですか?
仕事は全くもって順調です。ご心配なく。
プライベートでご報告したいことが…」
「今オーストラリアにいるよ。はははっ、昨日はコアラを抱っこしてきたぞ。
二人とも起きてるから大丈夫だ。
…とうとう運命の番に出会えたか?で?結婚式はいつにしたいんだ?」
やはり知ってたのか…
「うちの社員の橋下詩音。
直ぐにでも結婚したい。内々で本当に祝福してくれる人だけでしたいんだ。
親父達が帰ってくるまで式は待つから、先に籍だけ入れてもいいかな?」
「そうか…おめでとう、継。
あちらのご両親にも挨拶に行かねばならないが…一旦来月帰国する予定なんだがな…
私達は改めてお伺いするとして、お前は先にご挨拶に行ってきなさい。
あちらの了解がいただければ、きちんと籍を入れなさい。
あぁそれと…三ツ矢物産のタヌキ親子には気を付けるように。
あそこの娘がお前にえらくご執心だという噂があってな、結婚すると知ったら何をしてくるかわからないぞ。」
「わかった。親父、ありがとう。」
「けーい!おめでとう!」
「お袋!ありがとう。」
「よかった…早くお嫁ちゃんにも会いたいな…
履歴書の写真しか知らないから。」
「お袋も…知ってたのか…」
「あはっ。何となく…ね。
直ぐにご挨拶に行かなければならないんだけど、フルムーン中だから…申し訳ありませんと、丁重にお詫びしておいてくれ。
帰国したら一番にお伺いしますと。」
「あぁ。わかった。
じゃあ、また連絡する。旅行、楽しんで!」
「ありがとう。継、幸せに。」
「ありがとう。」
何だよ。何だかんだ言ってもラブラブじゃないか。
相変わらず勘のいいお袋だ。
おっ、切ったばかりなのにお袋からラ◯ンが。
『継、おめでとう!
…あちらのご両親の許可も得てないのに気が早いかな。
でも
仲人は香川先生にお願いするといいよ。
頼んであるから。
結納は、篠山さんに頼んであるから連絡しなさい。
じゃあ、しっかりご挨拶しておいで。』
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