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俺達、結婚します③

やられた…抜かりない…流石お袋、半端ない。 なんだ…分かってたのか… 気負っていたものが一気に抜けて脱力した。 後は…詩音の両親だ… 抱き潰してしまったから、詩音を連れて行くのは今日は無理だろう。 それにしても、『タヌキ親子に気を付けるように』って…そういえば、あの会社に就任挨拶に行った時、ケバい化粧の不細工な女がヤケにベタベタしてきたような… 俺の詩音に手出しさせないように、万が一のことを考えて手を打っておくか。 あの手合いは何してくるかわからないから。 俺はあるアドレスを呼び出すと、手短に依頼をし終えた。 そして滞った仕事がないか、篠山さんに電話をすると 「電話をかけてくる余裕なんてあるのですか? 番になったばかりのΩは心身衰弱してるんですから、目を離さず大切にしてあげないと! 仕事のことは私達にお任せ下さい! どうしてもの時には連絡差し上げますから、社長からの連絡は不要です!」 と、一方的に電話を切られてしまった。 そうか…あの人もαで、番はΩだから、よく分かってるんだ… 叶わねぇな…とボヤきながら寝室のドアを開けようとすると、少し空いた隙間から啜り泣く声が聞こえた。 詩音!?

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