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俺達、結婚します⑦
当然のように、その夜も身体を繋げた。
俺にしてはスローに丁寧に愛撫し、詩音に負担をかけ過ぎないように配慮したつもりだったが、完全に快楽に支配された俺は結局、華奢な詩音の身体を組み敷いて、己の欲をその体内に何度も放ったのだった。
荒く息を吐く詩音を抱きしめながら、明日の挨拶に行けるだろうかと不安がよぎったが、俺の胸に縋るようにくっ付いている詩音を見ていると愛おしさが増して、姫抱きをしてでも連れて行って承諾を得なければ…と変な使命感さえ生まれてきた。
番になってからの詩音は、甘えん坊になったようで…
というか、心と身体が不安定な今だからこそ、番の俺に安心して甘えてるのかもしれない…
家族以外の周囲の心無い言葉や態度に神経を擦り減らし、今まで気を張って生きてきた詩音…
もう、大丈夫だ…
俺が命を懸けてお前を守ってやるから。
思う存分甘えるといい。
すっぽりと俺の腕の中に身を預ける詩音は、次第に呼吸も落ち着いてきた。
「詩音?」
「…はい。」
「身体…辛くないか?」
「…はい、大丈夫です。」
途端に、全身に朱を注いだように真っ赤になり、俯く詩音がかわいくて…また性懲りも無くキスの雨を降らせた。
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