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第12話
身体に巻いていた布を剥ぎ取られ、転がった僕を押さえつけて耳、首、脇の下、そして股間を舐め回す。たぶん体臭の強い所だと思う。お風呂上がりでもはっきり匂うのかな?
後孔から袋、竿の先までぺろぺろぺろぺろ舐められてすでに完勃ち。がんばると言ってもどうすれば良いのか分からないので受け止めるだけ。でも…
「ミツ、しっかり解してくれるか分からないからローション使え!」
近づくと威嚇されるので離れた場所から声をかけられる。
ヒノワさんは声の方を一瞥しただけで追い出そうとはしなかった。良かった。
側に置かれたローションに手を伸ばすとヒノワさんがそれを引き寄せた。
あ、ぷにょぷにょしてる。容れ物は魚の浮き袋だって。
ぷちんっ!
僕のお腹の上でそれが潰され、中のローションが垂らされる。
首を傾げるクマさんは可愛いんだけど、これが何なのか忘れてるみたい。
「ヒノワさん、これ、こうして…ね?」
自分で解すの、やった事ないから恥ずかしい…。
異世界仕様の身体になってるから自然に濡れるし、さっきも指入れられてたから柔らかくなっているし、けっこうぬるぬるだったんだけど、激しそうだから念のため。
「んっ…」
くちゅっ…くちっ…
自分で解しているお尻を不思議そうにガン見されるのは恥ずかしい。てか近い。
ぐい。べろん。
「はぅんっ!…っな、舐めちゃダメ!!」
いや、舐めても毒じゃないんだけど!目的が…邪魔だったのか手をどかされて、お尻を舐めまわされる。ふぇぇ…感じちゃうよぅ…
べろんべろんべろん…
めちゃくちゃ動物っぽくなってるー!!
ローションがなくなった頃、震えながら蜜を零す僕のペニスを舐め始めた。だんだん舐め方が激しくなる。射精回数が多い程疲れちゃうから我慢しようと思ったのに、こんなに夢中でぺろぺろ舐められたらもう、我慢なんて出来ない。
「あぁん…はぁっ…あ、ん…ヒノワさ、もう…でるぅ…」
我慢の限界を訴えると、ぴたりと動きが止まってしまった。
なんでぇ?
おもむろに蕾に指を埋め込まれ、中の具合を確かめるようにうごめく指。ペニスを舐められるのとは違う快感が身体を駆け抜ける。
「ふぅぅぅ…そっちも…すき…」
前ほど直接的ではないけど、もっと気持ちが良い事を知っている。すでに柔らかくなっている蜜壷は太い指を2本、3本と飲み込んだ。
早く欲しい。早く入れて。欲しいのは指じゃなくて…
頭の中がその欲求に塗りつぶされていく。
見ればヒノワさんのはいつも以上に大きくなって、グロテスクなほどに血管が浮かび上がってよだれを垂らしている。それなのに何故、入れてくれないのか。
指を入れられたまま膝を抱えて脚を開き腰を揺らすと、ようやく意図が伝わった。ずるりと3本の指が引き抜かれ、猛々しい雄の象徴が淫らな僕の雌に与えられる。
「ーーーーーーーーーーーっ!!」
太く、長く、凹凸に富んだそれは入り込んだ途端に強烈な快楽をもたらす。目の前がチカチカして一瞬意識が飛ぶ。意識はすぐに戻ったものの、少なくない圧迫感と震えるほどの快感に息が詰まり、上手く呼吸が出来ない。
朦朧とながら迫り上がる快楽に身を任せた。
ーー もっと撫でて ーー
ーー もっと擦って ーー
ーー 気持ち良い ーー
ーー もっと、もっと ーー
どこかでそんな声がする。
甘くねだる声に煽られて僕もどんどん欲しがりになる。
ーー キスして ーー
誰かの声と僕の願いが重なり、望みが叶えられた。上顎舐められるの気持ち良い…舌をこすり合わせるの好き…
頭が働かない…
気持ち良くて幸せで…
ふわふわする。
「あっ…」
打ち込まれたままの楔が間を置かずに硬度を取り戻し、繰り返し打ち込まれる。
「ヒノワさ……気持ち良い…もっとして?」
言わなくてもしてくれるけど、言葉が溢れてくる。
「愛してる…。」
びきっ!とまた更に大きく硬くなった屹立に絡みつく、はしたない僕。
ひたすらに…ただひたすらに…快楽に酔いしれる。
「ミツ…愛してる。」
優しい囁きと額に触れる唇の感触に目を覚ますと、もう日が高かった。
挨拶をしようとしたけど、喉が渇いて口をパクパクすることしかできない。すぐに気づいて飲み物をコップに注いでくれる。
…起き上がれない。
腕を持ち上げることもできなくて困っていると、口移しで飲ませてくれた。声が出るようになるまで数回、口を開けてお代わりを要求。
「食事はできそう?」
「あ、メルさ…ん、おはよ…ござい、ます。んと…お腹は空いて…るけど、身体が、動かないです。」
「 じゃぁ、まずはスープを飲もう。発情期が終わったならヒノワは仕事へ行って?ミツの世話は私がするから。」
「仕事…」
「行かなきゃならないだろう?もう5日目だぞ。」
「そんなに経ってるの!?」
長くて3日って聞いてたのに。
僕たちは三日三晩繋がって、それから2人とも丸一日眠っていたんだって。そしてもう昼過ぎ。
見ればここは温泉施設のオーナーの部屋で、ヒノワさんの家の料理人さんが食事を届けてくれていた。
発情期のだいたいの時期は決まっているので調整はしてあるけど、多少変わったので行ってくる、って急いで出かけて行った。
「…やっぱり獣人が羨ましいなぁ…」
「え…?どうしたんですか?」
「だってミツがさ、めちゃくちゃ可愛くてさ…『愛してる』なんて言われた事ないし…」
「…言ってました?」
「言ってた。朦朧としながらもっともっとって強請るんだよ?あー!羨ましい!!」
フェロモンか何かの関係だろうか?
…もしかして誰かの声だと思ってたやつ、自分の?
「決めた!転職する!」
「えぇっ!?なんで突然?」
「前から考えてはいたんだけどね。ヒノワってかなり金持ちだろ?」
実は時期によっては商工ギルドで忙しくなるし、パートナー連れで参加しないとダメなパーティーもあるんだって。
恋人がいると匂いでバレるから連れて行かないとまずいし、でもヒノワさんはそう言うの苦手だから連れて行って僕に恥をかかせるのは嫌だとこぼしていたらしい。で、センスにそれなりに自信があるメルさんが全部面倒を見てくれる事に決めたそうです。
つまり僕のお世話係?
「そう。ミツとずっと一緒に居られてミツを可愛く仕上げて給料までもらえるんだ。」
「それ、やりがいある?」
「やりがいしかない!だいたいヤマネもキアヌもセンスが偏りすぎている。タチバナはまだマシだけど、私の方が絶対に上だから。」
そう言えば2人がプレゼントしてくれた服はそれぞれの普段着と似てて、ペアルックしたかったのかな?って思ったけど似合わなかったんだよね。
キアヌさんからのはサイズの問題もあってだらしなくなっちゃったんだと思うけど…部屋着っぽかったかな?
僕はこだわりないし、ヒノワさんに恥かかせなければ構わないよー。まぁ、パーティーは緊張するけど。
「たくさん啼かせて甘く強請られるようにも頑張るとして、私なしではいられないようにしてあげるからね。」
ハーレムでも良いけど、やっぱりできるなら特別になりたいって。こめかみにキスしながらそんな事言われたら照れちゃうよー。
動けないから真っ赤になった顔も隠せない。
疲労回復に良いスープのおかげか、夜には座れるようになった。
みんなが帰って来たところでメルさんが転職宣言。
みんながずるいって言うけど、必要とされる服選びとかパーティーの付き添いとかを聞いたら静かになった。え?もしかしてそのパーティーって怖いの?
「怖いんじゃなくて退屈なんだよ。…って、俺は聞いただけだけどな。」
「うん、美味しい物は食べられるけど腹の探り合いで大変みたいだよ?」
「キアヌのじーちゃんは楽しそうだけどな。」
タヌキは化かし合いが本能!?
ご隠居さんあんなに優しいのに???
じゃ、キアヌさんは?
「僕はタヌキらしくなくて、そう言うの苦手なんだ。」
「それも演技かもよ?」
えぇ〜???
もう訳が分からないよ…
「深く考えなくても大丈夫だ。私が守る。」
「俺だって!」
「オレも。」
「僕も。」
「当然。」
そうだね。ここにいるみんなが僕を傷付ける訳ないよね!
「次はきっと俺が発情期だ。楽しみだな。」
「僕はその次かな?」
「オレはその後か。」
ヤマネさん、タチバナさん、キアヌさんの順?
「全員、ミツがどれだけ可愛くなるか見てたからね。また体力作りがんばってね。」
「え!?みんな見てたの?」
「体格差を考えて交代で見張るって言ったろ?」
「オレもはやく発情してミツを蕩かしたいよ。」
「うん、潮吹きさせたい。」
全然記憶にないんだけどーーーーーーーーーー!?
身体はこんなに辛いのに「発情」と聞いてぞくっとしちゃった。
「そんなにいやらしい顔しても、今はダメだよ。ちゃんと回復してからね?」
って、そんな顔してない!
…してないでしょ?
…してないよね?
あの…普通に可愛がって下さい…?
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