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第7話
いつまでもこうしていたかったがお腹が空いてしまった。
「お前お腹空かねえ?」
「お腹、空く・・・空いた、ごめなさい・・・」
「なんで謝るんだよ、飯作ってやるから待ってろ」
「ご飯、ご飯・・・」
鼻歌のように何回も繰り返しながら、頭を揺らしている。
多分結はまともに飯を食わせてもらったことがないんだろう。
人並みに育っていない体や、軽すぎるこの体重から分かる。
調べさせたら結は13歳、中一と分かった。
体的に最初俺は10歳くらいだと思っていた。
「何が食べたい?」
「・・・何でも・・・」
「んー、じゃあ野菜でスープでも作るか」
多分結は重い物は食べれないだろう。
結がこれまで何を食べてきたかは知らないが、いいものを食べてきた感じはしない。
「嫌いな食べ物あるかー?」
「・・・ない」
「そうか、えらいな」
頭を撫でてその場を離れると、頬を赤く染めてその場所を優しく押さえていた。
結と出会って何時間も経っていないが結がどれだけ親に愛情を与えてもらわなかったのかが分かる。
同情はしない、が、その代わり俺がその分可愛がってやりたいと思う。
どんなことでもしてやりたいと思う。
「お前暖かい所いろよ」
いつまでもキッチンにいる結にリビングを勧める。
キッチンは寒いわけではないがフローリングなので裸足の結には寒いだろう。
リビングなら絨毯がひいてあるしそっちにいてくれた方が安心する。
「ここ、いる・・・だめ・・・?」
「いや、いいけどよ・・・じゃあ、待ってろ」
俺はキッチンを離れ、寝室に行った。
俺のだからかなりでかいが無いよりかはいいだろうと思い靴下を持ってまたキッチンに戻る。
結はキッチンから俺の出て行ったドアを見ていた。
「ほら、これ履いてろ」
「これ、履いたらいていいの・・・?」
「いいから履け」
いそいそと履き出す結だがやっぱり渡した靴下はでかかった。
“結用の靴下買わないとな、それに服も・・・”
結と暮らしていくには足りない物が多すぎる。
後でどこか買出しに行かないとな。
考えながら冷蔵庫から食材を取り出し、水を入れた鍋に火をかける。
火をかけたばかりの鍋を見続けている結を俺は危なくないかハラハラしながら後ろから見ていた。
今日はスープ以外に作る物はないしいいが、明日からもこんな感じでハラハラしながら料理していたら時間がかかって仕方が無い。
「ぶくぶくしてる・・・」
珍しいものを見たようにこちらに報告してくる結に色んな物を見せたいと思った。
目をキラキラさせてこちらに報告してくるように、年相応な反応をしめせる子になれるようにしてやりたいと思った。
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