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第17話

「ほら、早く食っちまえ」 「うん・・・あかとお出かけ・・・」 何故か気合を入れなおした結は昨日より早めのスピードで食べ始めた。 そんなに出かけるの楽しみか? ほしい物でもあるのか? 結のためなら何でも買ってしまいそうだが、そこは俺も我慢しないと結のためにならない気がするからな・・・ 「あか、食べた」 それから数分・・・ 食べ終わったと言う結の口の周りにはかけてやったシロップが何でそんなに付くんだ・・・と思うくらい付いている。 俺はティッシュで拭いてやる。 乾いているため痛そうにしていたので今日はウェットシートも買おうと頭の中でメモする。 「じゃあ、準備して行くか?」 まだ行くには早い気がするが結に聞いてみると結は嬉しそうに首を縦に振った。 時間を見るとまだ9時。まあ今出発すればでかいデパートに行けるだろう。 その方が色んな所に移動するよりいいだろう。 歩くことになるが休憩できるところはあるだろうし、色んなものがあるから結も楽しめるだろう。 「あー、でも、着ていく服どうするか・・・」 「・・・?」 俺の一言に結はハテナを浮かべているがこの格好はやばいだろう・・・ 俺のぶかぶかのTシャツを着ているだけの結。元々着ていた結の服は異臭を放っていたため捨ててしまった。 どうするか・・・ 「あー、じゃあ待ってろ」 「・・・分かった」 何とかなる服があるかもしれない。 俺は寝室に向かい何とかなるような服を探し出した。 そんな事言っても俺と結は身長差があるため何とかなる所ではない気がしてくる。 もうしょうがない・・・あっちで買って結に着させるか? 「結ー、お前あっちで買って着させるからとりあえずこれ履いててくれ」 俺は結に俺のズボンを差し出し履かせた。 ファッション的には変ではないが、あまりにもぶかぶかすぎるため変だった。 「とりあえずお前の服から調達しないとな」 「ごめんなさい・・・」 「いいんだよ、気にすんな」 俺は結の頭を撫で言った。 結は申し訳なさそうにしていたがそんな出費痛くないし、俺にはつぎ込む程の趣味も無かったためお金には困っていない。 これからも困ることはないと思うし、結が気にすることはない。 と、思っていたが結はそこだけを気にしていたわけではないらしい。 いつも頭を撫でると嬉しそうにするくせに今は何だか納得していないような顔をしている。 「結?どうした?」 「ごめんなさい・・・あかに、迷惑ばっかりかけてる・・・」 「迷惑・・・?」 何の話だ? 「ぼく、何もあかに返せないくせに・・・もらってばかり・・・ぼくできること考えてた・・・何も無かった・・・」 今にも零しそうな涙をギリギリのところで止めている結はそんなことを言い出した。 「結、お前は確かに何もできないかもしれない。でもな?昨日言っただろ。これから一緒に成長していこうって。忘れちゃったか?今は俺だって結に何をしてやれるかなんてわかんねーよ。だからお互い様だ。な?」 「ううん!あかは、たくさんぼくにくれる・・・」 「そう感じてくれてるなら俺も嬉しいよ。でもそれをお前が無理して返そうとすんな。お前が返せるようになったら返してくれよ。俺はお前がいてくれるだけで今はいいからさ」 俺の本心。結が今ここにいてくれるのが嬉しいんだ。 それを結に分かってほしい。結も同じだったらいい・・・なんて考えてしまうのはおかしいのかもしれないが・・・

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