24 / 44

第24話

「結、俺もお腹空いたから何か買って来たいんだけど・・・」 お前も行けるか?、と聞こうとした瞬間結は素早い動きで俺の服を掴んで止めてきた。 俺も結がパンケーキを食べ終わるのを待っていようと思っていたがこいつは思ったよりも食べるのが遅く、それに加え一口ひとくちに感想を言っているからフードコートに入ってからもう一時間が経とうとしていた。 一時間も経てば入った頃は込んでいたが人も少なくなり、今は疎らにいるだけだった。 「結、俺はもうお前を置いていったりしねーよ。俺もお腹空いたからお前も一緒に来てくれるか?って聞きたかっただけだ・・・途中で悪いけど来れるか?」 「・・・あかがお腹空いてるの、気づけなくてごめんなさい・・・ぼく行ける・・・」 「ありがとな」 結の頭をもう癖のように撫でてしまう俺だが結もいつだって初めての時の様に嬉しそうにしてくれる結に俺はホッとしてしまう。 「じゃあ、行くか。すぐ終わるからごめんな?」 「・・・ぼくの方が、ごめんなさい・・・あか、お腹空いちゃった・・・」 ずっとションボリしてしまっている結に申し訳なくなってしまうが、この後は結のために俺も初めて行く二階に足を伸ばしてみることにした。 結の洋服は何だかんだ言って何着か集まったし午後は何するか・・・と思っていた時に結が二階にある遊び場に興味を持っていたんだ。 最初は俺が案内図を見ていたときに結が二階から聞こえる子供のはしゃぎ声を気にしだして俺に“あの声は何?”と聞いてきて俺が説明してても結は分からなかったらしいのでそれに近い画像を見つけて見せたんだ。そしたら結は何も言わずに目をキラキラさせていて・・・俺が行くか?と聞くと気まずそうに“・・・いいの?”と言ってきた。 そんな事されたら行くしかないだろ・・・ 結には色んな経験をして欲しいし、俺も結がしたいことはできる限りさせてあげたい。 と、言うわけで食後に結を遊び場に連れて行くことにした。 結は一応中学生なわけだし無理かとも思ったがこんな見た目だし大丈夫なはずだ、と思い直した。 見た目は明らか小学生だし、小学生と言っても小さい方かもしれないくらい・・・俺はそれも治してやりたいと思っているのだが今はそれを利用したっていいと思う・・・ 「俺は・・・パスタにするか・・・」 俺はすぐそばにあったパスタに目をつけた。 別に俺は食にこだわる方ではないためすぐそばにある物で良かった。 結はびっくりしたような顔をしていたがあれだけ迷っていた結だから即決した俺が信じられないのかもしれない。 俺はたくさん迷えることはいいことだと思っているけどな。 とりあえず空いていたこともあり、パスタはすぐに出され俺たちはまたさっきとは違う席に着いてまた食べ始めた。

ともだちにシェアしよう!