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4初体験は失敗と共に

 俺は欲望のままに和泉の胸の突起を口の中で転がし、吸い付いた。もう片方は手で弄った。何だか甘く感じる。それはたぶん、俺が相当興奮しているからだ。 「んんっ……! ん、ふぅ、っん……ふ、ぅんっ……」  和泉はなんとか声を押し殺していたが、腰がいやらしく揺れている。目はぎゅっと閉じられていて、必死に快感を逃がそうとしているみたいだ。  声がもっと聞きたい。和泉のエロくて可愛い声が、もっと。俺は和泉の手を口から引き剥がした。 「声、聞かせてくれよっ……」  和泉に荒っぽく囁く。すると和泉は、ビクッと体を跳ねさせた。それから恐々と俺の肩に手をやった。 「あっ……渉く、ぅんっ……きもちいっ、あ、あぅ……きもちい、よぉっ……はぁ、んっ……」  和泉の手に力が込められる。甘い声が漏れ始めた。興奮から、呼吸がさらに浅く速くなる。  和泉がこんな声を出すなんて。普段とのギャップとも相まって、目眩がするほどエロく聞こえる。可愛い。 「ん……渉、くんっ……」  しばらくして和泉が震えた声でそう呼びかけてくる。俺は口を離して「……なに?」と問いかけた。見上げた和泉の顔は、何かを堪えるように切なげな表情だった。 「あのね、僕……もう我慢、できないから……その……」  和泉は躊躇うように視線を揺らすと、やがて、真っ赤な顔で俺の手を掴んだ。 「う、……後ろ、触ってくれない、かな……」 「……へ?」  後ろ、というのはつまりそういうことで、コトに及んだ以上、最終的に考えてはいたものの……和泉から促されるなんて思ってもみなかったし、俺の心の準備がまだできていない。 「ダメ……?」  だけどそんなことを不安げに言われてしまっては、心の準備なんて言ってる場合じゃない。やるしかない、と俺の本能が急き立てる。  雰囲気を盛り上げる言葉を何か言いたかったが、口から出たのはなんとも情けない言葉だった。 「わ、分かった、けど……ごめん、上手くできるか分かんねーし、第一どうやればいいのか、いまいち……」  自分の言葉を聞いて、自分に幻滅した。こういう時、平太ならどう言うんだろう。考えようとしたがやめた。自分が惨めになるだけだ。  和泉はそれを聞いて「じ、じゃあ……見てて」と俺の上から退くと、ベッドに上半身を横たえて、俺に、その……尻を向けて、下着を下ろした。控えめに言って、めちゃくちゃエロい格好だ。AVなんかでバックでヤる時に女優がよくやる格好だ。 「い、和泉⁉︎」  思わず声が裏返った。和泉は自分の指を唾液で濡らすと、ゆっくりとそれを穴に滑り込ませた。くちゅり、と淫らな水音がした。 「すげ……そんな風に、なるんだ……」  生唾を飲み込む。まるで性器みたいに指を受け入れているそこから、目が離せない。 「うん、だって……渉くんの家に来る前、自分で、解してた……から」  蚊の鳴くような声で和泉が答える。俺の家に来る前、自分で解してた? その言葉が意味するところに思い至った時、俺は耳まで熱くなるのを感じた。  つまり、和泉はそういうことがあるかもしれない、と予期していて、そのために準備してくれて……。俺の家に行くから、と一人で準備している和泉を想像して、苦しいほどにそれがいきり立った。 「こういう、んっ……風にね、触って……ほしいんだ……」  ん、ん、と控えめな声を漏らしながら、和泉は指を出し入れした。和泉の腰がビクつく。目眩がするほどの淫らな光景に、俺はアホみたいに口をぽかんと開けていた。 「すげー、大胆だな……和泉」 「うぅ……こんなになるまで、僕を焦らしたのは、渉くんだからね……いっつも、手、出してくれなかったん、だもんっ……」 「ほ、ほんとにごめん……」  以前何度かヤりそうな雰囲気になった時、あの時もしかして和泉は、今日のように準備してくれていたんだろうか。だとしたら本当に申し訳ない。だけどそれ以上に、嬉しいしめちゃくちゃ興奮する。  やがて和泉が指を抜いて、俺を物欲しげに見つめた。思わず喉が鳴る。 「い、いれるぞ」  そう宣言して、恐る恐る指を入れた。内壁がきゅうんと絡みついてくる。熱くてぬるぬるしてて、それがさらに興奮を煽る。 「はぁ……」  和泉が悩ましげな吐息を漏らした。ゆっくり指を動かしてみると、さっきよりも大きく、腰が揺れた。 「き、気持ちいい?」 「うんっ……すごい、気持ちい――」俺の指が、ある一点を掠めた瞬間、大げさなくらいに和泉の腰が震えた。「――あぁっ……!」  驚いて反射的に体が固まった。何か痛いことでもしてしまったんだろうか。しかしそんな俺の危惧とは裏腹に、和泉は甘い声で囁いた。 「渉くん……そこ、もっと……さわって……」 「え? こ、こう?」  分からないなりにその部分を重点的に触ってみた。すると和泉は、嬌声を上げ始めた。 「あっあぁ……! そこっきもちいいよぉ……んぁ、ぁっ……きもちいい、あぅっ、あぁんっ……!」  和泉の声がたまらなくエロい。もうダメだ。俺も我慢が効かなくなってしまう。指だけでこんな可愛い声を上げているのに、俺のを挿れたら、どうなってしまうだろう。 「はぁ……和泉、俺……もう挿れたい……ダメ?」  耳元で囁くと、内壁が一際締め付けてきた。もしかして、俺の声で感じてくれたんだろうか。そうだとしたら嬉しい。  和泉は「いいよ……」と控えめに頷いた。それから、身体を起こして仰向けになると、俺に手を伸ばしてきた。 「最初は、向き合ってしたいから……」  ゾクッと快感が走る。可愛い。可愛すぎる。俺は震える手で、ズボンと下着を下ろした。

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