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12やっぱり誤魔化せない

「イッたら駄目だって言いましたよね? 俺」  真空さんが我慢できる訳がないのは分かっていたので、別に怒ってはいなかったのだが、あえてそう怒ってみせた。  冷たく睨むと、真空さんは顔を青ざめさせて謝った。 「お仕置きしなきゃ、ですよね?」  それを聞くと真空さんは、怖がるように、そして期待するようにビクッと震えた。 「お仕置きを期待するなんて悪い子ですね」  そう言いながら、イッたばかりであまり萎えていない真空さんのモノに触れ、手加減せずに亀頭ばかりを扱き始めた。 「えっあ、イッたばっか……っひぃ、あっ」  戸惑う様子を見せたあと、真空さんは苦しそうに眉をひそめ、ビクビクと震えた。  そりゃそうだろう、イッたばかりなのに容赦なく触られたら、刺激が強過ぎて苦痛でしかない。 「やめっ……ひうぅ……」  辛そうな真空さんの声にゾクゾクする。もっとこんな声を聞きたいと思う。 「苦しいですか?」  聞くと、がくがくと頷いた。が、俺は決してやめなかった。 「お仕置きだからなぁ、苦しくなきゃ意味ないですよ」  真空さんは許しを請うように俺を見上げたが、そんな顔、ますます俺を煽るだけだ。  そんな顔をされればされるほど、もっと苛めてあげたいという欲求が湧き上がる。  真空さんは薄っすら涙を浮かべ、いやいやをするように首を振り続けた。  が、少し後に 「やっ……何か、出そぉ……」  と呟いた。  実は、イッた直後に亀頭を責め続けると男でも潮を吹く、ということを知り、冗談半分で試してみたかっただけだったのだが……これは本当にいけるかもしれない。 「へぇ、出してもいいですよ?」  もっと強く擦ると、真空さんはさらに声を上げた。 「待っ……何か、出るぅぅっ! やらぁっ、あぁぅっ!」  辛そうな声をずっと上げながら身悶えていた真空さんだったが、ある瞬間、 「ああっあ、ああああああんんッ!」  と大袈裟なほどの声を上げ、勢いよく透明の液体を噴いた。  その情けない姿に嗜虐心が思い切り満たされて、快楽が脳天を貫いた。 「本当に潮を噴くとは思わなかった……可愛かったですよ」  そう囁いて額にキスしたが、真空さんは息も絶え絶えな様子で、快楽に溺れて返事がまともにできないようだった。  しばらくして、真空さんが落ち着いてきた頃に問いかけた。 「そんなに気持ち良かったですか?」  真空さんは頷いた。その表情はもうすっかり満足気だった。  ――しかし、真空さんは大事なことを一つ忘れている。 「でも真空さん、一つ忘れてません?」  聞いても真空さんはピンとこないようで、首を傾げた。  なので俺は、きっと今の真空さんにとっては残酷な事実を告げた。 「今日まだ一回も、本番してないんですよ」  真空さんはたっぷり数秒は惚けてから、目を剥いた。そして、慄いたように問うた。 「まさか、今から……」 「はい、しっかり犯してあげますよ」  真空さんは「無理!」と首を振ったが、俺は脅すように耳元で囁いた。 「自分だけ気持ち良くなってご主人様は無視ですか? 犬失格ですね」  すると真空さんは口ごもり、譲歩するように呟いた。 「せめて、少し休ませて……」 「もうさっき十分休んだじゃないですか」  そして俺は、真空さんの目を見つめて冷笑した。 「犬に拒否権があるとでも?」  真空さんは本当に俺の目が好きなのだろう、さっきまで慄いたような表情だったのに、途端に陶然とした表情になった。 「ないです……」  俺は真空さんの髪を撫で、くすりと笑った。 「いい子だ」

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