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8重なり合うトライアングル

「嫌だろ? 怖いだろ? 止めてほしいだろ?」  明塚君がにやりと笑いながら言うと、永島君はがくがくと必死に何度も頷いた。  すると明塚君は永島君の頭を鷲掴みにして顔を近づけ、凄むように言った。 「分かるか? お前が今こいつにやったレイプってのはそういうことなんだよ。分かったら館野に謝れ」  何で、今僕の名前が。 「ひぃっ……」  目に涙を浮かべながら、すっかり怯えきった声を上げる永島君。 「わっ……悪かった、館野!」  思わず耳を疑った。今まで永島君は、謝るどころか悪びれる様子すら見せなかったから。  しかし明塚君は、それで良しとはしなかった。 「違うだろ? 土下座して『俺みたいな万年発情期の犬が、おこがましくも強姦してしまい申し訳ございませんでした』だろ?」  そして立ち上がり、永島君の頭をぐりっと踏みつけた。その踏みつけ方には容赦がなかった。  永島君はさすがに戸惑ったように言葉を止めた。そりゃそうだ、自尊心の高い永島君が、そんなことを言うはずがない。 「なに? ペン入れて欲しいの?」  しかし明塚君がわざとらしく聞くと、ビクンと震え、小さな声でそれを言った。  明塚君は座り込んだ永島君のおとがいを上履きで持ち上げ、嗜虐的に言った。 「聞こえねえよ? ちゃんと大きな声で言え」  永島君は裏返った声を震わせながら、土下座をしてこう言い切った。 「おっ……俺みたいな万年発情期の犬がっ、おこがましくも強姦してしまいぃっ、申し訳ございませんでしたあぁっ!」 「えっ……? その、えっと……」  目の前にいるのは、あの永島君だろうか。半年くらい前からずっと、僕のことを自分勝手に呼び出しては力尽くで犯していた、あの。  理解が追いつかなかった。それでも状況は、僕を置いてどんどんと進んでく。 「六十点だな」  明塚君はしゃがみ込み、永島君の胸ぐらを掴み上げて脅した。 「分かってるな? またレイプなんてクソみたいな真似したら、今度こそ尿道にペンを突っ込んでやる」 「ひぃぃっ、わっ、分かってますぅっ、すみませんんんっ!」 「分かったならさっさと失せろ」  明塚君がそう言うと、永島君は恐怖にがくがくと震えながら、急いでズボンを上げて荷物を引っ掴み、去っていった。

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