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6決して覚めない夢であれ

「数週間我慢できたのと、ちゃんとおねだりできたご褒美に、イイモノつけてあげましょうか」  そう微笑むと、真空さんは期待からか背筋を震わせた。そして真空さんは、俺がつけたものに触れると、顔を真っ赤にした。羞恥からか、それとも快楽からか。 「本当はちゃんとしたSMサイトで買いたかったんですけど、そうすると無駄に高いんですよね。だから――」  俺はにこりと笑って告げた。  真空さんの目に俺は、どんな風に映ったのだろう。それこそご主人様、飼い主のように映ったのだろうか。 「――ペットショップで買っちゃいました、その首輪」 「はあぁ……っ」  真空さんの頬はその首輪の色のように、背徳的で目を引くような赤さに染まっていた。 「似合ってますよ、それ。俺の飼い犬みたいです」  耳元で囁くと、「あ、あ……」と恍惚とした表情で真空さんは震えた。 「嬉しいですか?」  真空さんは恍惚とした表情のまま、何度も頷いた。 「ご奉仕したがってましたよね、真空さん」  頷いたのを確認して、俺はほくそ笑んだ。だから俺はもう一つの『イイモノ』を持ってきた。と言ってもそれ自体はおかしなものではないし、いやらしいものでもない。  俺はそれを、たっぷりフローリングの床に垂らし、口元を歪めた。真空さんはそれを見て、不可解そうな表情で首を傾げた。 「これ全部舐め取れたら、ご奉仕させてあげます」  さすがに驚愕したように、真空さんが俺を見る。俺が垂らしたのは何の変哲も無い、普通の『蜂蜜』だからだ。  戸惑った様子の真空さんだったが、俺が立ち上がり「早く」と首輪についたリードを引っ張ると、「あんっ」と嬌声を上げ、四つん這いになって恐る恐る顔を床に近付けた。 「あ、待って下さい」  声をかけると、真空さんはその姿勢のまま上目遣いで俺を見た。 「犬に服は必要ないですよね?」  真空さんは驚いたように目を見開いたがやがて、 「っ、はい、ご主人様」  と頷くと、ゆっくりと自ら服を脱ぎ出した。

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