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8決して覚めない夢であれ
「イッちゃいましたか、こんなことで。そんなに気持ち良かったんですか?」
足をどけると、恍惚として焦点の定まらない上気した顔で、真空さんが見つめていた。
「気持ち、良かったですぅ……」
そんな顔で見つめながら、悩ましげな声で言われたものだから、無性に組み敷きたくなった。
だから、床に垂れた精液をさっさと舐め取らせると、首輪を思い切り引っ張って問いかけた。
「ご褒美、欲しいですか?」
待ってましたとばかりに笑顔を見せて首肯した真空さんに、俺は立ち上がってソレを咥えさせた。
「どうぞ、ご褒美です。後で下の穴でもご奉仕してもらうんで、自分で慣らしながらご奉仕して下さい」
「ふぁいぃ……」
呂律が回らなくなってきたようだったが、それでも真空さんは一心にしゃぶりついた。
「はふぅっ……ふむっ、うぅん……ぢゅるっふうぅ……んんっ……」
真空さんは、色っぽい吐息を漏らしつつ、トロンとした目でしゃぶりながら、自慰をしてみせた。次第に挿入る指の数は増え、善がる声は大きくなっていった。
痴態を自ら曝け出すような格好で美味しそうに咥える真空さんは、情けなくて可愛かった。
俺の我慢が効かなくなった頃に、引き剥がすように軽く真空さんの頭を押すと、真空さんは察して口を離し、待てをするように俺を見上げた。本当に、飼い犬のように見えてきた。
「四つん這いになって下さい。尻だけ上げて」
異議を唱える様子すらなく、俺の声に従い真空さんはその格好になった。
誘うように収縮を繰り返す穴に浅く指を入れると、内壁が絡みつくように締め付けてきた。
「そんなに我慢できませんか?」
聞くと、真空さんは頷いて切なげな声色で急かした。
「できない、れすぅ……ご主人様のっ、欲しいぃ……」
仕方のない子ですね、そうわざとらしくため息を吐いてみせると、俺は耳元で囁いた。
「もっとちゃんとおねだりできません?」
一瞬躊躇うように間が空いたが、焦らすようにゆるゆるとナカで指を動かすと、すぐに陶然とした声の返答があった。
「俺のっ、ケツマンコでぇ……ん、んぅ……ご主人、様の、はぁっ……チンポにっ、ご奉仕ぃっ……あ、あぁ……させて、くらさ、いぃ……」
「よく言えました」
頭を撫で、勢い良く俺は突っ込んだ。真空さんの裏返った声が響く。
「あッ、あああああんっ――!」
俺が根元を掴んでいたせいで、挿れただけで達しはしなかったが、真空さんはガクガクと体を震わせた。
内壁が思い切り締め付けてき、こちらまで「んっ……」と声を上げてしまうほどに快感だった。
「まだ、イッちゃ駄目ですよ……一緒にイキましょ」
ナカが気持ち良くて余裕がなく、俺は荒く息を吐きながら、掠れた声で囁いた。
「いっ、んっあぁ……きもち、いいぃっ……あ、あ、あんっ! あっ、ソコぉっすごいぃっ……や、あんんんっ!」
激しく突けば突くほどに善がる声が上がり強く締め付ける、それが良くて俺は、前立腺が擦れるように手加減せず動いた。
「ああ、もうイキそっ……ほら真空さん、俺の精液、恵んであげますから……」
吐息交じりに荒く言うと、少し間をおき、こう低く言い放つと共に精液をぶっ込んだ。
「――ありがたくいただけ」
「ひッ、あああああんんッ!」
精液を全て搾り取る勢いの締め付けに、凄まじい快感が体を抜けた。「っく……」と声が漏れる。
「あっ……ありあたく、いたらきまひたぁ……」
体を痙攣させながら呂律の回らない口でそう真空さんは呟いた。快楽に溺れて、その視線は陶然と宙を彷徨っていた。
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