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1濡れた体と蕩けた心

「……ねえ真空さん」  仲居さんに渡された着替えの浴衣に袖を通した俺と真空さんは、夕食も食べ終わって、部屋の窓から見える海を眺めていた。  ん? と訊き返して真空さんが俺を見た。俺は、肩に手を回して抱き寄せ、耳元でこう問いかけた。 「もう夕食も食べ終わりましたし……一緒に風呂入りません?」  一緒にか、と疑問気に言った察しの悪い真空さんに、つうっと腰を撫でて、囁いた。 「一緒に、です」  ようやく察したのか、恥ずかしそうに視線を彷徨わせると、真空さんは期待するような表情で頷いた。 「待って、浴衣は俺に脱がさせてください」  脱衣所で、言うが早いか真空さんを後ろから抱き締め、浴衣の胸元からするりと手を忍び込ませた。  そこは部屋に備え付けの風呂ではなく、その階の宿泊客全員用の男湯だ。だが幸い風呂には遅い時間だったからか、利用者はいなかった。 「う、あぁ……」  真空さんは微かに甘い吐息を漏らした。焦らすように胸元辺りをまさぐると、だんだん息が荒くなった。 「あぁぁ……ぅぅ、ん、平太っ……人が、来るかもしれないっ……からぁ」 「平太じゃないでしょう? ご主人様、です」  真空さんの言葉には答えずに低く囁いてやると、真空さんは背筋を震わせた。  胸元や脇腹を悪戯に撫でつつ、ゆるゆると焦らすように浴衣の帯を緩める。そうすると真空さんが時々、物欲しそうな顔でこちらを振り向くが、気付かないふりをした。  帯を緩め終わって、ゆっくりと浴衣をはだけていく。ここから見えるうなじが色っぽく感じて、思わずうなじに舌を這わせた。 「あぁっ、ご主人様ぁ……」  陶然と真空さんが囁く。そのまま舌を這わせ、耳まで舐めると、真空さんは甘く体を震わせた。 「あんっ……やぁぁ、耳ぃ……んうっ、ゾクゾク、するのっ……止まら、ない、ですぅ……」  下半身の方もはだけさせようと手を伸ばすと、躊躇いがちに制するように、真空さんが俺の腕を掴んだ。 「どうしました?」 「あ、ええと、その……」  口ごもる真空さんに、「ご主人様に逆らうんですか」と訊くと、でも、と言いかけて、手を離した。  何故今更恥ずかしがるのか、と思ったが、その謎はすぐに解けた。 「うわ……下着がすごいぐしょぐしょ。染みができてますよ」  真空さんは興奮からか、しっかり見える染みを下着につくるほど、我慢汁を出していた。そして、ソレははち切れそうなほどに勃っていた。

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