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2濡れた体と蕩けた心
真空さんは恥じるように黙り込んだ。だが俺が下腹部を容赦なく揉みしだくと、大きく体を震わせた。淫靡な湿った音がする。
「あっ、あぁ! 無理ぃ、腰がっ……あんっんんっ……砕け、そぉぉ……」
「真空さん、音聞こえます? 下着の上から弄ってるのに、湿った音がしてますよ」
いたぶるようにそう言うと、「はあぁ……」と真空さんは喘ぎを漏らした。
「何でこんなに濡らしてるんですか?」
羞恥心を煽るつもりで、弄りながら問うと、蕩けた声で真空さんは答えた。
「宿の部屋に、二人きり、だってっ……思ったらぁ……すごく、期待しちゃってっ、あぁんんっ……本当は、浴衣にっ、着替えてからぁぁ……ずっとぉ……はあぅっ……体が、疼いててぇっ……すみませんっ……」
俺は、へえ、と呟いて、真空さんの浴衣を一気に全てはだけさせて下着を下ろしながら、言葉で責め立てた。
「浴衣に着替えてからずっと、ですか。じゃあ今まで、何食わぬ顔をしながらずっと、頭の中ではセックスのことばかり考えていたんですか? ねえ答えてください。てことは、本当はずっと――」
そこで言葉を止め、ろくに慣らしてもいない後孔に指を差し挿れた。突然の刺激に、真空さんは大きく体を跳ねさせた。
「ひあぁんんっ!」
そのまま、ぐりぐりと容赦なく刺激して、続けた。
「ここに俺のが欲しくて欲しくて、堪らなかったんですよね? ずっと、めちゃくちゃに犯されることを期待してましたよね? ずっと――」
「ひあっ、あ、あぁ! あぁぅ、ああぁぅぅっ」
慣らしていないソコを弄られるのは辛いはずなのに、真空さんは恍惚とした表情で喘ぎを漏らした。
背筋をゾクゾクと走る快楽がとめどなく溢れる。なんて無様で、淫乱で、愛おしい姿なんだろう。
辛抱が効かなくなって、俺は指を何本か思い切り突っ込むと、低く嘲った。
「――俺のチンポをハメてもらいたくて、はしたなく発情してたんだろ? 雌犬」
「あッああぁ――っ!」
イケるほどの刺激は与えてなかったはずだが、高い嬌声を上げて、真空さんは果ててしまった。
「……今のだけでイッたんですか?」
嘲笑うと、真空さんは甘やかな吐息を何度も吐いて、上ずった声で言った。
「体を、弄られながらっ、言葉責めされて、堪え切れなくてぇぇ……堪え性のないっ、雌犬でっ……すみま、せんん……」
「……そんなによかったんですか。雌犬って罵倒されるの、好きですか?」
真空さんは振り向いた。俺と目を合わせると、とろんとした目になった。
「好き……ですぅ。もっとっ……罵倒して、いただけませんか」
ゾク、と甘やかな痺れが体を走る。そんな可愛いことを言われては、俺も我慢が効かなくなる。
「そうですか。なら……これからたっぷり、蔑んであげましょうか」
そして、ぐっと顔を寄せると、嘲笑してみせた。
「なあ、雌犬」
真空さんは体を震わせて、潤んだ瞳で頷いた。
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