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3濡れた体と蕩けた心

 浴場の中に入ると、家の何倍もある浴槽と洗い場があり、浴槽と同じくらいの広さの窓があった。その窓からは、満天の星空が広がっていた。  俺は状況を忘れて、すげえ、と呟いた。だがそんな感動も、傍らの真空さんを見たら、吹っ飛んでしまった。 「あぁ……ご主人様ぁ……」  熱く濡れた瞳に見つめられて、くらっときた。  だがあえて何も触れずに、シャワー前の椅子に座った。ここで頭すら洗わずにヤるだけヤって帰ったら、風呂に何しに来たのか分からない。  俺は、戸惑う様子を見せた真空さんの体をすっと撫でると、悪戯っぽく笑ってみせた。 「頭、洗わないんですか」  そうか、と納得した顔になった真空さんだったが、頭を洗いながらも意識は『そういうこと』に持っていかれているようだった。  あえて目を背けて頭を洗うことに専念したが、真空さんはそうもいかなかったらしい。 「はあぁ……おっきい……」  手こそ動かしていたが、視線は完全に俺の下腹部に行っていて、熱い吐息を漏らす真空さん。完全に発情してしまっていた。  俺も我慢ができなくなりそうだったが、そんな俺に構わず、真空さんは蕩けた顔で腰を揺らした。  頭を流し終わってからふと真空さんを見ると、真空さんも既に流し終わっていて、依然俺の下腹部をじっと見つめていた。 「ん……かっこいい……」 「さっきから呟いてること、丸聞こえですよ」  指摘すると、真空さんは驚いたように俺の顔を見、途端に顔を赤くした。  まさか、俺にそれが聞こえていないと思っていたのか。  自分のモノをガン見されながら『おっきい』だの『かっこいい』だのと呟かれては、煽っているようにしか思えない。しかし本人は煽っている自覚がゼロなのだから、つくづく真空さんは天然のド淫乱だと感じる。  切なげに眉を寄せる真空さんに俺は、体を洗うためのタオルを投げ寄越して言った。 「ね、真空さんが体洗ってくださいよ。そっちの方が奉仕してる感じがして、楽しいでしょう?」  真空さんは少し驚いた様子を見せたが、すぐに蕩けた声で肯定した。 「はいぃ……体を洗わせて、いただける、なんて……すごく、嬉しいですっ……」

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