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4濡れた体と蕩けた心

 真空さんは、それにボディソープを付けて丁寧に泡だて、失礼します、と断りを入れて洗い出した。俺は座ったままで、真空さんに洗わせた。  洗っているだけだというのに真空さんは、荒い息を吐きながら欲情し切った表情をして下半身をもじもじとさせていた。  真空さんの従順さと淫乱さが、堪らなく愛しかった。 「ご主人様の、体……引き締まってて、すごい、かっこいい……です」  はぁはぁと熱い息を吐いて、真空さんが上ずった声で言う。雌の顔をしていた。  手から始まってそのまま腹、背中、と下がっていき、下腹部に行き着いたところで、期待するように俺を見上げた。 「そこは最後に洗ってください」  そう言って足を洗うよう急かすと、一瞬期待が外れたような色を浮かべたが、すぐに頷いた。  大きく広げた俺の脚の間に跪いて、壊れ物でも扱うように、丁寧に洗う真空さん。脚を洗っているとどうしても目に入るのか、真空さんは下腹部にちらちらと目を向けた。  脛まで洗い終わってから、躊躇うように俺と足の間で視線を行き来させた。首を傾げると、真空さんはやがて小声で問いかけた。 「もう……我慢できない、です。……足、は……舐めて、洗っても……よろしい、ですかっ……?」  どくん、と心臓が高鳴る。ただでさえ欲情した真空さんがエロくて堪えるのに必死だったのに、そんな風に煽られてしまったら、俺もそろそろ限界が来る。  俺は体の泡を全部洗い流すと、「どうぞ」と足を投げ出した。そして「歯を立てたらお仕置きですよ」と釘を刺した。  真空さんは手の泡を落とし、陶然と足に口付けをした。 「おふ……んんうぅ……んっんんん……」  一心不乱にしゃぶりつく真空さん。生暖かい舌で舐められるくすぐったさと、足を舐めさせるという屈辱的な行為をさせていることに、寒気に似た快感が走る。 「真空さん、美味しいですか」  足を喉の奥に突っ込んで問うと、真空さんはくぐもった声を上げてから、何度も頷いた。快感が背を撫でた。 「んっ、ふぅ……おいひい、れふぅ……」  熱い瞳で俺を見上げながら、そんなことを言う真空さんが愉快で、可愛くて、仕方がなかった。俺は笑いたい衝動に駆られ、思わず笑いを零した。 「あははっ! 気持ち悪いなぁ、この淫乱が」  真空さんはビクンッと震え、ほんの少しだけ白濁を漏らした。

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