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5心も体も縛り付けて

 やがて、花火が全て打ち上げられ、ばらばらと客が帰っていった。結局俺はローターで苛められ続けて、まともに花火を見られなかった。  声を我慢するのに精一杯で、もう溜まりに溜まった欲が爆発しそうだった。 「真空さん、帰りましょう」  平太は、そう言って立ち上がろうとした。ローターを稼働させたまま、普段通りの顔で。  平太の手を、俺は思わず掴んだ。そして、平太にだけ聞こえるように囁いた。 「平太、無理ぃ……家、まで……我慢、できなっ……」  それを聞いて、普段通りだった平太の表情が、嗜虐的に歪んだ。面白くて仕方がないといった調子でくすりと笑いを零すと、耳元で囁いた。 「堪え性がないなぁ、雌犬」  その言葉が、快感となって下半身を襲う。自分でも今は相当いやらしい顔をしているのだろうと察しがつくくらい、さっきから頭の中は『犯されたい』ということでいっぱいだった。 「でも、もう閉園時間ですし、遊園地の外までは歩いていかないと駄目ですよ」  平太が普段通りの声色に戻って言う。俺にとってそれが、どれだけ辛いことか重々承知しているはずなのに。  だけど俺には、頷く他の選択肢がなかった。 「あ……歩け、な……れす……」  平太の腕に縋ってしばらくは何とか歩いたが、遊園地から出て少し歩いた辺りで、限界が来た。  おかしくなりそうな快感のせいで、体がガクガク震えるのが止まらない。ローターを入れられてからもう既に、何度か空イキしてしまっていた。歩くたびに、縄がきつく体を締め上げて、ローターもイイところを掠って、その度に意識が飛びそうになる。  平太は、はあとため息を吐いた。 「……犬の分際で、ご主人様の命令を拒否するつもりですか?」  その低い掠れた声に、体が大きく震えてしまう。 「あぅ……ごめ、なさい……ぃ」  平太はその謝罪を聞いて、満足げに口元を吊り上げた。そして、耳元でこう囁いた。 「こうなるかと思って、ここのすぐ近くにホテルを予約してあります。そこまで音を上げずに歩けたら、ご褒美あげますよ」  ご褒美という言葉に期待がどんどんと膨らむ。「できますよね?」と尋ねた平太に、俺は頷いた。 「いい子ですね」  チェックインを済ませて入ったその部屋は、思っていたものと違った。思わず、え? と疑問げに呟いてしまう。 「俺が普通の部屋、予約する訳ないじゃないですか」  その部屋は、薄暗い照明に照らされた、一面真っ赤な部屋だった。そして、X字の磔台や拘束用の椅子などの見たこともないものが並んでいた。 「SMルームです」  平太は、俺の予想を裏付けするように言って、俺の頰に手を沿わせ、嗜虐的に笑った。 「調教を始めましょうか」

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