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7心も体も縛り付けて
平太は、あはっと満たされたような笑い声を上げた。そして、何かをさぐるようにそれを浅く出し入れしたり、ねじって向きを変えたりした。
そんなところを弄られても痛いだけで、気持ち良くなるはずがないのに――いつの間にか、痛みすらゾクゾクとした感覚に変わっていった。
「んっ……やぁ、っはぁ……く、っ……ああぁ……」
そのうち自分が痛いのか気持ちいいのか分からなくなってきた。そんな自分が怖くて、だけど漏れる声は抑えられなかった。
やがて、それがある一箇所を掠めた時、今までのじわじわとした快感とは別物の、ダイレクトな快感が襲った。自然に体が仰け反ってしまう。
「知ってます? 尿道からも前立腺を弄れるんですよ」
平太はしたり顔で言いながら、その部分を容赦なく責めた。
「んあっ、あっあぁっ……無理、無理ぃそこっ……あんんんっ! や、やぁ、あ、あんンっ……やらぁ、っ無理ぃぃ……っ!」
強すぎる快感に、体が逃れようとして意図せずよじってしまう。だけど快感は強すぎるままで、むしろ動くたびに拘束された手足と緊縛された体が痛んで、それまでも快感に変わる。
「うるさいですね、指咥えててください」
平太はそう言いながら、空いていた方の指を俺の口に突っ込んだ。生理的な吐き気が俺を苛む。
「ぐ、ふっ……ふーっ……ううぅ、んんっ……」
そのまま、イラマチオをするように平太は指を出し入れした。苦しいはずなのに、されればされるほど全身が熱く疼く。
平太は辛抱が効かなくなったように、笑いを零した。そして指だけでなく、尿道に挿れたそれも動かした。
涎が口からどんどん溢れて体を快感によじってしまう。そんな自分が恥ずかしくて堪らなくて、そんな恥ずかしい姿をさらしていることに興奮した。
気持ち良くて、痛みと快楽の境界線が曖昧になって、頭がおかしくなりそうだった。もう達してしまいそうだ。
涙目で首を振る俺を見て、平太は恍惚とした笑みを浮かべた。
「あー……いいですね、その顔。すげえそそる」
恍惚とした笑み、興奮に震えた声、嗜虐的に冷たく光る瞳、――気付けば、快楽が脳天を貫いて、俺は体を仰け反らせていた。頭の中が真っ白になる。
しばらくして、自分はまた空イキしたのだと気づく。甘い余韻がいつまでも残って、体が断続的に震えるのが止まらない。
平太は満たされたようなため息を吐いた。それから、俺の後ろに入ったままのローターの振動数をいきなり最大まで上げた。そして、口に入れた指を激しく出し入れして、陰茎に入ったままの棒も前立腺を弄るように動かした。
「あと一回です」
さっきの快感よりもさらに強い快感に襲われる。怖い。気持ち良すぎて怖い。自分が壊れてしまいそうだ。
気付けば、俺はぼろぼろと泣いてしまっていた。
「あっ……はははは! はあぁ……可愛いですよ、泣き顔……」
恍惚と震えた声で、上気した頰で、それでも冷え切った嗜虐的な瞳で笑う平太。それを見たら凄まじい快楽が体を抜けて、俺は悲鳴のような嬌声を上げてしまった。
「んっん、んんんんンンン――ッ!」
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