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4受験と仕事と卒業と

 真空さんは映画が好きだが、恐らく基本的に「芝居」というものに興味があるのだと思う。話を聞いたことはないが、きっと映画だけでなく舞台の類も好きなんだろう。  それはとても嬉しいことだが、少し困ることもある。それが、語っている時はそれに夢中になってしまうことだ。例えば、 「――それから、やっぱり子役からやっている俳優は違うよな。正直ヒロイン役の女優はイマイチだったが、主演の一ノ瀬薫演じる教師役は本当に良かった。よく一ノ瀬薫は映画で見るが、こういうドラマも出るんだな。彼特有の流し目が――」  普通に俺の前で他の俳優を絶賛する。  いや、俺以外の話をするなとは言っていない。言っていないし、その前には俺のことを絶賛していたし、確かに主演の一ノ瀬さんには色々と良くしてもらったので俺も好きだ。でも、そういう問題じゃないのだ。  二人きりの時に別の男の話をされると嫉妬してしまう。真空さんのそのキラキラした瞳に俺以外が映っているのが気にくわない。  簡単に言ってしまえば嫉妬だ。だがそれの何が悪い。  俺はかっこ悪いことは承知の上で、真空さんの意識をどうにか俺に向けたくて、真空さんの腰を抱き寄せて太腿を撫でた。  すると、真空さんは驚いたように俺の顔を見た。だがそのまま内腿を愛撫するように撫でていると次第に何も言わなくなり、俺の肩に頭を預け、赤い顔で息を荒げ始めた。 「真空さん。確かに、一ノ瀬さんの演技はずば抜けて上手いですよ? それにすごくいい人だし。……でも、こういうときにあんまり俺以外のことは話して欲しくないなぁ」 「あ……ごめん、なさい……」  蕩けた吐息交じりに真空さんは囁いた。ふと悪戯心が湧いて、俺は笑いながら言った。 「嫌です。許しません」  俺はそのまま、片方の手はそのままにもう片方の手で、真空さんの上半身の尖った部分をなぶった。真空さんの体がびくりと揺れる。 「浮気する駄目犬はちゃんと躾けなきゃ、ですよね?」 「う、浮気なんかじゃ……あ、っ……」  尖りを摘むように刺激すると、真空さんは身を震わせた。 「お仕置きしなきゃ、ね?」 「はぁ……おしおき……」  真空さんは期待に目を潤ませて頷いた。その様子に興奮が煽られる。 「服を脱いで、四つん這いになってください」と命令すると、真空さんは躊躇うことなく全てを脱ぎ、ベッドの上で四つん這いになった。  俺は真空さんの後ろにローションを垂らして軽く解すと、そこにリモコン式のバイブを突っ込んだ。今までで一番真空さんの反応が良かったものだ。  真空さんが俺の様子を伺うように振り返って見つめてくる。俺はそんな真空さんを横目にスマホのタイマーをセットして真空さんに見せた。 「一時間です。それまでイかずに耐えられたら、許してあげます」 「い、一じか――あ、ひっ……」  真空さんは何かを言いかけたが、無視してリモコンのスイッチとタイマーのスタートボタンを押す。すると真空さんは体を震わせて声を漏らした。  正直なところ、お仕置きって意味が分からないと思う。真空さんは何も悪いことしてないよなぁとも思う。だが構わない、こんなものただの理由付けである。  実際はお仕置きというよりは俺へのご褒美に近い。一時間も隣で悶える真空さんを眺められる。幸せだ。俺はこの時のために今まで真空さんに会わずに仕事を頑張っていたのだとすら思える。  真空さんは声を抑えようと唇を噛んでいたが、俺が指で背筋をなぞると、「ん……」と僅かに甘い声を上げた。それで楽しくなった俺が尻やら内腿やらを撫でたら、真空さんは耐えるように眉を寄せ、身悶えするように体をくねらせた。 「気持ちいいですか?」と尋ねると、真空さんはこくりと頷いた。俺が重ねて「イキたい?」と訊いたら、戸惑ったように俺を見返してきた。  そんな真空さんの表情を尻目に、真空さんのいきり立ったそれを緩く扱きだすと、真空さんは目を見開いた。 「へ、平太、んっ、それは――」 「――ご主人様、ですよね?」  そう軽く凄んでみせる。すると真空さんは「はぁ……っ」と恍惚とした吐息を漏らした。 「イッたらお仕置き追加ですからね」 「そんな……」  酷い、と言いたげな真空さんの恨みがましい表情が堪らない。だが、 「何ですかその表情。ご主人様に対して何か不満でも?」 「あ……っ、ごめんなさいっ許して、ゆるしてぇ……!」  涙目で懇願するように上ずった声を出す真空さんも堪らない。俺が扱く速さを早めたのだ。  このまま扱き続けるのもよかったが、それじゃつまらない。俺はしばらくしてから扱くのをやめて、また黙って悶える真空さんを眺めた。  真空さんはやっぱり声を我慢しようとする。俺は声を聞きたくなって、真空さんの前に指を持っていった。  すると真空さんは俺の顔色を伺うこともせず、素直に口を開けて咥えた。俺がいつも指を舐めさせてばかりいるからだろう。そんな小さなことにすら優越感を感じる。 「噛んでもお仕置きは追加です」  そうすると、声を抑えられなくなった真空さんはいい声を上げだした。それと一緒に飲み込みきれない唾液も垂れる。  俺はその、真空さんの情けなくて可愛い姿に嗜虐心が満たされて、思わず笑った。  真空さんは身悶えながら「ふぅ……っ、ん、んっ……」なんて喘ぎ声を漏らす。俺はしばらくの間、真空さんに軽くちょっかいをかけてはその反応を見て、と楽しんでいたが、タイマーの時間が十分を切ったあたりでバイブの振動を最大にした。  真空さんは目を見開いて、いやいやをするように首を振った。俺はそんな真空さんにこう尋ねた。 「イキそうですか?」  もちろん真空さんは頷く。もう既に涙目だ。  そんな顔で懇願するように見上げられたら――やばい。ゾクゾクとした震えが背中を走る。俺は思わず、大きくなったそれを真空さんの前に持っていって、微笑んだ。 「舐めてください。イキそうだったら、イカないように自分で抑えながら、ね?」  真空さんは少しの間躊躇っていたが俺が急かすと、自らの先端を片手で握りしめ、もう片方の手で体を支えながら俺のものをそっと咥えた。 「あ、ふぅ……っ」  咥えた途端、真空さんの目が嬉しそうに蕩ける。それから真空さんは夢中になって、顔を動かし時に喉の奥まで咥えながら、必死に俺に奉仕をした。  フェラが好きで仕方がない、といった様子の真空さんが堪らなく愛おしく思える。俺は気持ち良さに息を吐きながら、真空さんの髪を撫でた。  既に張り詰めたそれを自分の手で握りしめて、達せないようにするのはさぞ辛かろう。それでも悦んで、恍惚とした表情でやる真空さんは本当にドMだ。そんなところも愛してる。 「あと数分ですから、もうちょっと頑張りましょうね」 「ん、んンっ――!」  俺はそう優しく言いながらも、容赦なく真空さんの後頭部を掴んで喉の奥を突いた。すると真空さんは体を震わせ、嬌声を上げた。  思わず笑みがこぼれる。俺は「ほら、もう少し頑張ってください」とか何とか言いながら、何度も口内を突いた。その度に真空さんは恍惚に身を震わせる。 「ほら、あと少し……十秒……三、二、一――」  そして一時間の経過を知らせるアラームが鳴り、俺はまずスマホのアラームを止めてからバイブのスイッチをオフにした。  真空さんは力が抜けたのか、片手で自らの先端を握りしめたまま、倒れ込むようにその場に寝転がった。頰は上気していて、息は荒く、瞳は余韻に浸るようにとろんと蕩けていた。 「よく頑張りましたね、良い子です」  そう頭を撫でてやると、真空さんはへらりと笑う。それだけでも可愛いのに、真空さんはすぐに物欲しそうな顔を俺の下腹部に向けた。求めているものがすぐに分かって、俺は口角が上がるのが自分でも分かった。 「何か欲しいものがあるなら、ちゃんと言ってください」  そうしたら真空さんは体をビクつかせながらバイブを抜き、ふらふらとうつ伏せに戻ると、尻だけを高く上げて両手でヒクヒクと疼く穴を割り開くようにして俺に見せた。 「ご、ご主人、様……ご主人様の、おちんぽで奥を突いて、それから……精液、いっぱい、注いで、欲しいです……」  ただでさえ理性が飛びそうになっていた俺は、その痴態でもう我慢ができなくなって、真空さんの腰を掴んで勢いに任せ挿入をした。 「あ、ああぁんんっっ……!」  真空さんは高い声を上げて達した。今まで我慢していた分、とろとろと流れる白濁はいつまで経っても止まらない。中もずっと締め付けてくるものだから、俺まで達してしまいそうになる。  それから俺がゆっくりと、徐々に激しく奥を突くと、真空さんはガクガクと身を震わせた。 「あっ、あぁんッ、きもちいいっ……きもちい、ですぅ……! はぁっ、ぁんっだめ、イッちゃう……! イッちゃう、またイクぅっ……!」 「はは……まるでチンポ奴隷ですね」」  そう罵ると、真空さんは一層嬌声を上げ始めた。中も噛み付くように締め付けてくるものだから、俺は気持ち良さに荒い息を吐いた。  イッちゃう、とうわ言のように囁きながら快楽を享受する真空さん。そろそろ俺も限界になってきた。俺は「そろそろ出しますよ」と一言告げて、自分が達するための動きに切り替えた。 「あぁっ、んっ……だしてぇ……! おくにっ……はぁっ、いっぱい……ッ!」 「はぁ……この、淫乱雌犬が……!」  俺は真空さんの髪を後ろに引っ張り、そう吐き捨てて奥に出した。そうしたら真空さんは、一際大きな嬌声を上げて達した。

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