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8王子様と執事
「ああああっァああッ!」
真空さんの高い嬌声が聞こえる。真空さんから白濁がどろっと出た。
達してしまったからか、中が持っていかれそうなくらい締め付けてくる。強烈な快感が俺を襲った。
「相変わらずお前は……挿れただけで、達するな。そんなに……俺のが、好きか?」
俺は荒く息を吐きながら、尋ねた。真空さんは、がくがくと頷いた。
「はひっ……すき、れす……」
呂律が回っていない。顔が見たくなって、無理やり顔をこちらに向けると、真空さんの顔はどろどろに蕩けていた。俺がそんな顔をさせているんだと思うと、ゾワッと快感が走った。
俺の顔を見てか、それとも無理やり顔をこちらに向けられたからか、真空さんは「あ、はぁ……」と微かに喘ぎを漏らした。中がさらに締め付けてくる。
「ははっ……このド淫乱が」
そんなところが可愛い、そう言う代わりに耳元で罵倒すると、「ひ、っあ……」と真空さんは体を震わせた。
そろそろ我慢の限界が来た。俺は真空さんの腰を掴み、容赦なく中を犯した。中が絡みついてくるみたいに締め付けてくる。
「っああぁ! あ、んんぅっ……あ、はぁ……っ! あ、おちんぽぉっ……や、ら、んんっ……おかしく、なる、っ、……!」
真空さんが意味のない言葉を口から零す。可愛くて堪らない。
征服欲が十分すぎるくらい満たされて、ビリビリとした快感が下半身を襲う。
「はっ……真空……気持ち、いいか?」
「あ、っあ! ……きもちい、れすっ……ぁああっもうぅ……イ、キそ、れす、っんぁあ……!」
ビクビクと官能に体を震わせ、高い声を上げる真空さん。
もっと、もっと真空さんを蕩けさせたい。そんな衝動が俺を突き動かし、気付けば俺は突きながら、真空さんの首を絞めていた。
「か、はっ……」
真空さんが苦しそうな声を出す。だけど中は、さっきよりもずっと締め付けてきた。
首を絞められて感じてしまっているのだ――と思うと、強烈な快感が体を抜けた。俺は首を絞め続けながら、吐き捨てた。
「……っははは! このまま……苦しみ抜いて、達しろ」
「あ、あ、あああぁァァッ――!」
真空さんが体を反らし、白濁を吐き出す。搾り取るような中の動きに耐え切れず、俺も中で達した。
「……すみません、考えなしに中で出して。文化祭中なのに」
俺の言葉に真空さんは、いや、と首を振った。
「俺も、文化祭中だってことを忘れて理性をなくしてたから、お互い様だ」
俺と真空さんは顔を見合わせ、思わず苦笑いした。
衝動に駆られて首を絞めてしまったが、今思えばこれも失敗だった。服でだいぶ隠れてはいるが、痕が残ってしまっていた。真空さんは俺の視線を見て察したか、首に触れた。
「首も、絞められて俺も気持ち良くなったから、お互い様だ。前に平太に言われたが、俺は息苦しいのが好きみたいだな」その後、真空さんは迷うように言葉を重ねた。「その……だからまた、してほしい」
「いいですよ。……それにしてもイメージプレイ、すごいですね」
俺がそう言うと、真空さんも同意して、思い出しているのか顔を赤くした。
「そうだな。いつもと違う傲慢な態度の平太……何ていうか、すごく、良かった」
さっきとは違う意味で、笑ってしまった。誰が何と言おうと、真空さんのそういうところは何より可愛くて、愛おしい。
愛しさで堪らなくなって抱き締めると、真空さんは腕の中で「うわっ」と驚いた声を上げた。
「続き、衣装はないですけど、帰ってからしましょうか」
わざと吐息混じりに囁くと、真空さんはさらに顔を赤くしてこくこくと頷いた。
乱れてしまった真空さんの髪を軽く整え、襟元を直すと、俺は真空さんの目を見つめた。真空さんが期待するように見つめ返す。キスをしようと顔を近付けたところで――唐突にスマホが鳴った。
慌てて電話をとると、電話越しに渉の怒鳴り声が聞こえた。
『平太! お前どこにいんだよ!』
「……屋上」
迷った挙句素直に答えると『はあ?』と渉は半ギレで聞き返した。
『先輩とイチャつくのもいい加減にしろよな……こっちはお前がいなくて出し物進まねーんだよ! お前がどこにもいないんですけどって苦情入ったんだけど?』
「……わり」
『悪いって思うんならさっさと降りてこい! 今すぐな!』
そう渉は怒鳴ると、電話がぶつっと切れた。
「……そろそろ、戻りましょうか。真空さんも、戻らないとクラスに迷惑かかりますよね?」
「……確かに」
俺と真空さんはまた顔を見合わせ、苦笑してから屋上の扉を開けた。
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