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2ご奉仕させてくれないか

「……あ、かつかっ……」  はあはあと熱い吐息を吐きながら、先輩が蕩けた目で俺を見る。呂律があまり回っておらず、顔も紅潮していた。  先輩は、下半身には何も纏っておらず、何かに馬乗りになっているかのような体勢だった。そして、後ろの穴には深々と何かが入っていた。 その何かはよく見ると、陰茎によく似た形だった。  それを見たとき、俺は全て理解した。ーー先輩、ディルドを使って騎乗位でアナニーしてたのか。それでもう、既にできあがってたんだろう。  無様で恥ずかしい先輩の姿を見ると、何かが蠢くような、脈打つような、あの衝動に襲われた。  まただ。この衝動に襲われるたび、おかしくなってしまう。それと、この感覚に襲われるたび、無様な姿を俺にだけ晒す先輩が、堪らなく可愛く思えてしまう。  その衝動に突き動かされるように俺は、先輩にこう聞いた。 「先輩、何してるんですか?」  先輩は目を潤ませて、答えた。 「あっ……アナルにディルド、挿れてぇ、オナってたっ……」  俺はしゃがみ込んで先輩と目を合わせ、更に聞いた。 「気持ち良いんですか?」 「あぅっ……すごい、気持ちいっ……」  俺がそう聞いただけで、先輩は気持ちよさそうに震え、蕩けた声で答えた。  ゾクゾクする。蕩け切った先輩の表情に、俺まで溶かされそうだ。  そして俺は、畳み掛けるように更に聞く。 「何をオカズにしてるんですか?」  先輩は、赤い顔を更に赤くし、震える声で答えた。 「昨日っ、明塚に、ふ、踏まれたこと、思い出してっ……」 「そんなに昨日の、良かったんですか?」  どくどくと高鳴る鼓動が、はっきりと聞こえるほどに興奮しているというのに、自分でも驚くほど冷えた声が出た。分からない。自分の行動がよく理解できない。  俺の冷えた声を聞いて、先輩は背中を震わせ、答えた。 「んっ……よか、ったぁっ……」  ああなんて、情けない顔だろう。ゾクッと震えが走ると共に、とある欲が抑え難いほどに沸き起こってきた。――もっと、もっと先輩の情けない顔が見たい。  そんな自分が心底理解できなかったが、気付かないふりをすることにして、欲に従うことにした。 「先輩。俺の目の前でこのまま動いてくださいよ」  口元に微笑を浮かべながら言うと、先輩は驚いたように、それかもしくは感じたように、ビクンと震えた。 「……で、でも……」 「できないんですか?」  少し待っても先輩からの答えがないので、俺はため息を吐いて踵を返した。 「ならいいです。俺帰ります」  こう言えば、先輩はこのまま見過ごすことはないだろうと思ったから。ドアに手をかけたそのとき、片手を掴まれた。  ーー思惑通り。  俺は、にやり、と笑ってしまいそうなのをにこり、に留めて、けれどあえてこう問いかけた。 「何ですか?」  先輩は顔を真っ赤にして、こう囁いた。 「……す、する、から……帰らないで、見ててくれ……」  ゾクゾクッと背筋を快感が撫でる。女みたいな先輩の顔、堪らない。

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