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1勝手な期待と独占欲
ーー反則だと思った。
そう、昨日行為を一度終えてから、不意に晒した明塚の素顔が、そう思うくらい、かっこよかったのだ。
本人がことあるごとに自称するように「地味」そのものな外見なので、顔立ちも記憶に残らない顔立ちだと思っていた。
元々、顔にはほとんど期待していなかった。それでも好きだと思っていた。
……しかし、あれは反則だろう。
明塚の顔立ちは、一言で言えば「俳優顔」だった。
アイドルのようにきらびやかな顔立ちではないが、驚くほどに整った顔立ちだ。
あの顔をなぜわざわざ隠しているのか、疑問で仕方ない。
俺が、明塚のことを好きになってしまったのに気付いたのは、初めて会った次の日。
ただ気付いたのがその日、というだけで、実際は一目惚れだろう。
……俺はきっと、あの日、あの目にすっかり囚われてしまったのだ。
明塚のあの素顔を思い出すだけで、苦しいほど心臓が鳴る。
そして、そんな自分に苦笑した。
ーーこんなにどうしようもなく惚れたのは、初めてじゃないか、俺。
不意に、スマホに連絡が来た。何だと思って見ると、
「……っ!?」
明塚から連絡が来ていた。
思わず声を上げそうになったのを、すんでのところで抑えた。
急き込んで連絡を見ると、こう書かれていた。
『先輩、今屋上に来れますか?』
反射的に時計を確認する。
朝のホームルームは八時半から、そして今は八時になりそうなところだった。
それを確認するや否や、急いで鍵を持って屋上へと走った
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