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3勝手な期待と独占欲
何をされるのか、と興奮しながら待っていると、がさごそと何かを漁る音が聞こえた。
バッグでも漁っているのだろうか。
そして後ろから不意に、ドプッドプッ、と音がした。
驚いて後ろを向くと、明塚はローションを手に取っていた。
俺が見ているのに気付くと、明塚は「……ああ」と思い出したように眼鏡を外し、前髪を掻き上げた。
「こっちの方が好きなんでしたっけ」
そう言って微笑んだ明塚の顔に、胸が高鳴った。
ーーもう、卑怯なくらいにかっこいい。
明塚はその後、アナルに指を一本入れ、浅く抜き差しをした。
「あっ……んんっ、ふ、くぅっ……」
昨日とは違う優しい愛撫に、腰が砕けそうになる。
やがて三本が入るようになってから、明塚は指を抜き、またバッグを漁った。
そして不意に、
「うあっ!?」
ひんやりと固いものが、ズプッと勢いよく挿れられた。
「よし、入った。もういいですよ先輩」
そう言いながら明塚は、俺の下着とズボンを元のように履かせ、ネクタイを引っ張って無理やり座らせた。
「う、え?」
状況が掴めず狼狽えるように明塚の顔を見ると、明塚はにっこり笑った。
「誰が言いました? ヤるなんて。俺は昨日言ったことを実行したまでです」
「……だから、昨日言ったことってなーー」
直後、入ったモノが俺のナカでブルブルと振動した。
「はぁんっ」
ゾクッと快感が走り、がくんと力が抜ける。
「そりゃ、『尻にローター挿れたまま日常生活を送る』って話ですよ。俺がヤった後玩具見て『家でしか使わないんですか』って聞いたら先輩、『学校とかでも使ってみたい』って言ってたじゃないですか」
明塚はそう言うと、底冷えする嗜虐的なあの目で、ふるっと笑った。
ーーああ駄目だ、ドキドキする。
「だから望みを叶えてあげました。……じゃ、俺は先に戻ります」
そして明塚は、あっさりと帰ってしまった。
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