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10ずっと一緒になんて

 真空さんは虚ろな目で、は、は、と浅く呼吸を繰り返していた。  もう何回挿入したか忘れたが、多分俺が十分に満足していて、真空さんが達する時に少し意識を飛ばすくらいだから、相当数したんだと思う。いつもは物足りないくらいでやめるか、俺が事前に抜いておくからなぁ、とぼんやり考えた。 「まだ行けます?」 「も……むりれす……ゆるしてぇ……」  真空さんはゆるゆるとかぶりを振った。だけどその瞳にまだ快楽を求める色を見つけて、まだ行けるなと判断した。俺もあと一回くらいなら行ける。 「まだ行けますね。じゃあ――あと一回」  言いながら、腰を掴んで一気に奥まで突いた。 「あぅんッ!」  真空さんはビクン、と震え、中を思い切り締め付けてきた。その後きゅうきゅうときついくらいに収縮していたので、ドライでイッたんだろう。真空さんは潤んだ瞳で俺を見ながら、いやいやするように首を振った。 「お前に拒否権なんてねえよ」  凄むように囁く。すると真空さんは「はぁっ……」と甘い吐息を漏らしながら、きゅうんと俺のものに絡みついてきた。体は正直だ。  一度ずる、と抜いてから腰を打ちつけると、真空さんは体を仰け反らせた。またドライで軽くイッたみたいだ。一回一回達していたら持たないだろうなぁなんて思いながら真空さんを見ると、真空さんは「むりれす……」と首を振った。 「へんになっちゃう……きもちよすぎて、あたま、おかひくなるぅ……ゆるしてくらひゃい……むりれす……」  頬を上気させて潤んだ瞳で言われても、煽ってるようにしか見えない。懇願されると余計興奮する。そんな顔をされたら、泣かせたくなる。 「泣いて、懇願するまで」もう一度腰を打ちつける。「許さない」  真空さんはまたドライで達した。うわ言のように「むり……むり……」と繰り返していた。だけど真空さんはつくづくドMだ。この上なく幸せそうな顔をしていた。 「無理じゃないだろ? 酷く扱われるの好きだよな? 今だって」鎖骨の辺りをガリ、と噛んで跡をつけた。「思いっ切り感じてるのに。悪い子だな、嘘つくなんて」 「ァあんッ!」  また達した。もうそろそろ限界だろう。それでも真空さんは、感じ切ったメスの顔で、陶然と笑った。 「ごめんなしゃい……うそつきで、ごめんなしゃい……ごしゅじんしゃまの、おちんぽ、しゅき……もっとぉ……もっといっぱい、せーえきくらひゃい……おちんぽしゅき……」  もう完全に理性のタガが外れたみたいだ。限界が近付けば近付くほど、真空さんはド淫乱になる。途中までは嫌がるが、こうなったらもう――ただのメス奴隷だ。こうなると記憶が飛ぶらしい。前にこうなった時に聞くと、途中からもう覚えていないと真空さんは語っていた。 「いい子だ」  囁いてから、俺は容赦なく腰を打ちつけ始めた。挿れているだけで達しそうになるくらいの締め付けだったのに、さらに精液を搾り取るような勢いで締め付けられて、俺自身もなかなか限界だった。  真空さんはぼろぼろ泣きながら、何度も絶頂に達した。苦しいのか悦んでいるのか分からないくらいどろどろに蕩けた顔をしていた。 「ああぁんンッ、イッてりゅ、イッてりゅからぁぁァ! ひぃッあ、も、らめッらめ、ああああアァッ――ぁあ!」 「あ、っく、イクっ――」  容赦なく蠢く中に我慢ができなくなる。残りの精液全てを搾り取られるようにして、俺は中に全て出した。  少し息を落ち着かせてから抜くと、いやらしい水音と共に精液が溢れ出てきた。すごい出したな、と我ながら苦笑する。そして真空さんを見ると、案の定気絶していた。  拘束具を付けたまま、下にティッシュを敷いて丁寧に精液をかき出す。残ったら明日が大変だから、念入りに。それから別のティッシュで身体中を拭いて、取れなかった精液はウェットティッシュで拭きとり、それから拘束具を外して、片付けた。  それから、真空さんのマッサージをした。辛い態勢をしていたから必ず明日辛くなる、だからそれを少しでも軽減できればと。真空さんが気付いているかは分からないが俺は、気絶させた後は大体マッサージをしている。ここまで無理させたのは俺だから、せめて。  誰かに言っても「そもそも相手を気絶させないから」と理解されないが、俺はこの時間が好きだ。SMにおけるSはサービスのSという話を聞いたことがあるが、こういう時にそれを実感する。自分本意じゃ成り立たない。  真空さんの隣に潜り込んで薄い掛け布団を上にかけると、意識が戻ったのか、真空さんがゆるりと目を開けた。 「あ……へいた……」  俺はそんな真空さんの頭を撫でて微笑んだ。 「いいですよ、寝てて」 「ん……」  真空さんはふにゃりと笑った。それから素直に目を閉じた。一度目を覚ましたことも明日には忘れてるんだろうな、と思いながら俺は、軽く唇を重ねた。 「愛してます。ずっと一緒にいましょうね」

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