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番の蝶と狩る蜘蛛_參
◇…◆…◇
向かった先は黒田家の離れ。自由に使えばいいと当主から許可を得ている。
商売道具を持ち込んで、先ほどの光景を思い出せば、すらすらと筆が走る。
淫らに絡み合う男たち。
その中に一枚、狼が色男のモノを舐める絵がある。
「保さんのギラついた目が獲物を狩る肉食獣みたくてよ」
それを恒宣に手渡せば、頬を真っ赤に染めて突っ返してきた。
「私に見せるな、馬鹿者」
「あぁん? おめぇ、さっきは共に行くとか言ってたじゃねぇか。芳親さんが、善がる姿はこんなもんじゃねぇ。すげぇ色っぽかった」
「……そうか」
急に機嫌を悪くした恒宣に、藤はすぐにピンとくる。
「なんでぇ、ヤキモチかよ」
触れようとすれば手を払われる。
「触るな。私には色気などないからな」
「何言ってんでぃ、アンタだって十分に色っぽいてぇの」
「あっ、藤春、やめよ」
「わりぃ。ちょいと興奮しててさ。抱きてぇんだよ、恒宣の事」
衿を掴み前を広げる。
真っ白な肌にほんのりと染まる赤い粒。
指で円を描くように胸を弄れば、ビクッと震えて身体を反らす。
「すぐに感じちゃうねぇ。厭らしいな」
口に含んで吸い上げれば、ひゃぁ、と声を上げて腕を回してくる。
「藤春が、いっぱい弄るから」
「こんな身体になっちまったって?」
「そうだ。全てお主のせい!」
甘噛みをして、もう片方を摘まんで指の腹で弄る。
「あっ、あぁっ」
「ん……」
ちゅ、と音をたてて吸い上げながら帯を解く。
下穿きを外し露わになった下半身のモノへと触れる。
「可愛いな。こんなになっちゃってさ。あぁ、そうだ」
自分の帯を手にすると恒宣の目を覆う。
「な、何を」
「こうするとさ、いつも以上に感じるんだってさ」
と、恒宣のモノを咥えてもごもごと動かす。
「やだ、藤春、んぁっ」
わざと卑猥な音をたてて吸い上げれば、頬を染めて身体を善がらせる。
「外して」
「駄目。で、どうでぃ、感じるかい」
いつも以上に感じるのかと聞けば、目隠しを外してしまい首にぎゅっとしがみ付いてくる。
「藤春が見えなくて嫌だ」
その言葉は藤春の胸を高鳴らせる。なんて可愛い理由なんだろうか。
「はぁ、煽ってくれるなよ」
「ん?」
身体を離し藤を覗き込む恒宣をそのまま布団へ組み敷く。
「あっ」
「もっと可愛がってやろうと思ったのによ。お前ン中に入りたくてしょうがねぇ」
「よいぞ、こい」
誘うように足を開いて見せ、自分の太ももを細い指が撫でる。
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