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1. Rimless Free 4

なんでこんなに気持ちいいんだろう。 肌がぶつかる度に繋がる部分から跳ね上がる水音は、耳を塞ぎたくなるぐらい大きく鳴り響いてる。 ガクガクと揺さぶられて何度イかされたかわからない身体には全然力が入らないのに、中は勝手に動いて挿れられたものを締めつけていく。 「ん、は……あッ」 かわいくてちょっとエッチな女の子が大好きだっていっつも言ってるくせに。どうせ俺が見てないところで適当に遊んでるくせに。 なんで俺とこんなことすんのって海里に対して訊きたい気持ちはあるけど、何となく口に出せずにいる。 それを言葉にしてしまえば、この時間が終わってしまう気がするから。 「伊吹」 名前を呼ぶ声も本当にそっくりだ。 返事をする代わりに手を伸ばしてみた。その手を取った海里は口を開けて俺の指を含んでいく。ぬるりと温かな感覚がゆっくりと肌を這い、丁寧にくすぐられる。 こんなところも性感帯になること。男同士のエッチがめちゃくちゃ気持ちいいこと。 知らないままでも生きていけたのに、知ってしまったんだからもうどうしようもない。知らなかった頃には二度と戻れない。 「あ、も……ッ」 ちゅぷりと口から指を吐き出されて、触れる空気の冷たさに背筋が震える。濡れた前髪を掻き分けて頬に落ちてきた掌が、焦らすように肌を滑っていく。 じんじんと痺れる下半身の感覚が苦しくて何度も息を吐くけど、全然治まらない。 ああ、理性がドロドロに蕩けていく。 「もう、何?」 「イきた、い」 両腕を回して縋りつけば、ちゃんと抱き返して応えてくれる。普段は意地悪なのにエッチしてるときはなぜか優しい。だから俺はそこに付け込んで甘えてしまう。 だんだん激しくなる腰の動きに意識が振り落とされないように必死にしがみつく。唇からみっともない声がひっきりなしにこぼれるけど、それを抑える余裕もない。 腰を打ち付けられる振動で、頭の中はクラッシュしていく。いろんなものがぐちゃぐちゃになって、好きっていう気持ちもこのおかしな関係も、形のないものは全部曖昧になってしまう。 「万里、万里……ッ」 違う名前で呼んでることに対する罪悪感は、理性と一緒に溶かされていく。 俺の中に入ってるものがグッと質量を増して、一番気持ちいいところを引っ掛けるように何度か突き上げられた途端、中が収縮を始めて身体の中を渦巻いてた熱が弾けていった。 「……ああ、ん、あ……っ」 ドクドクと心臓の音に合わせるように、奥で放たれたものがじんわりと広がっていく感覚がした。もつれ合ってひとつになって、胸の中に残るのは意味のわかんない充足感。 呼吸が整わないまま重ねられた唇から舌が捻じ込まれて、息苦しさに喘ぎながらも素直に出した舌は絡み取られていく。 ずっとこのままでいられればいい。こうやって時々会って、エッチして、身代わりにして。そうすることでこの想いが昇華するのなら。 「好き、万里、好き……」 歪んでることはちゃんとわかってる。 それでも、幸せな気持ちになれてるんだからそれでいい。

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