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第6話
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「こいつ絶対女だろ。どっちでもいいけど」
駆け出しの冒険者は度々クエストで必要になったりするものだ。
宗田は慣れた手つきでキーボードを叩く。
『なぁ、フレンド登録しない?』
ハランからケントに提案した。
『いいよ。どうするの?』
どうやらやり方がわからないらしい。
『したことないのか。もしかして、俺フレンド第一号?』
『うん』
『やり方教えるよ』
『うん、お願い』
宗太は細かくフレンド登録までの手順をケントに伝えた。
これでお互いがログインしているのか、どのエリアにいるのかなどの情報がわかる。
『登録できた。ありがとう』
『いえいえ』
ケントが所望するネズミの生息地を目指し、ハランの後ろからケントがついてくる。
『ハランの職業って何』
『今はナイト』
『ナイト!?カッコいいな!』
『そうか?なぁケント、装備外してみて』
取り敢えずこいつは男なのか女なのか。
このゲームに親しんでいる宗太ですら、ケントがどっちの性別なのか、珍しいことに判別がつかない。
パーツの一つ一つを男らしい方へ振り幅を寄せた自分とは、違うバランスで作り上げられたアバターだ。
新人に配布される王国の服を装備したケントの素のアバターが見てみたい。
『いいけど。ハラン変態?(笑)』
すぐにケントの装備が外れ、下着姿の身体が現れた。
平らな裸の上半身に下衣は白いショートのアンダーウェア。
無駄にピッタリしていて股間の辺りまでリアルに作られている。
そんなところは自分と同じだ。
「男か」
それにしても華奢な身体だ。男キャラとは思えない作りだった。
どうしたらそんな風に作れるのか。
思わず宗太はキーボードを叩いた。
『小さいねw女かと思った』
『な、失礼な(笑)まぁ自分に似せて作ったから』
『へえ。リアルのケントは小さいんだ』
『(T-T)』
『ww』
『あんま言わないで。悲しくなる』
『気にすんなw着いたぞ』
ハランの知るネズミ出現ポイントへ到着した。
早速ケントを守りながらネズミを狩っていく。さくさくとテンポよくネズミを狩っていると他の冒険者が現れて、ネズミの数が激減した。
─そろそろ集まったんじゃないか?
『あと何枚?』
『あと1枚。ごめん、時間大丈夫?』
『俺なら平気。いつまででもw』
『えーいいな。俺あと30分くらいしたら落ちなきゃ。晩飯なんだ』
自分を俺と呼ぶことからケントの中のプレイヤーも男だと推測できた。
『じゃ急いで集めよう』
『うん』
『ネズミいないね』
『待つ?それとも移動する?移動に時間取られるけどな』
『じゃあ待つ。あと1枚だし』
『オーケー』
『暇だな。ハランも脱いでよ』
『ん、いいよ』
ハランの装備をパッと外す。
長身で肌は標準的なベージュ。
髪は長めのグレーで顔のパーツ一つ一つが男らしい。
ケントとは正反対の作りだったがハランは宗太の分身。
宗太はケントと同じようにアバターを自分に似せて作っていた。
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