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第6話

********** 「こいつ絶対女だろ。どっちでもいいけど」 駆け出しの冒険者は度々クエストで必要になったりするものだ。 宗田は慣れた手つきでキーボードを叩く。 『なぁ、フレンド登録しない?』 ハランからケントに提案した。 『いいよ。どうするの?』 どうやらやり方がわからないらしい。 『したことないのか。もしかして、俺フレンド第一号?』 『うん』 『やり方教えるよ』 『うん、お願い』 宗太は細かくフレンド登録までの手順をケントに伝えた。 これでお互いがログインしているのか、どのエリアにいるのかなどの情報がわかる。 『登録できた。ありがとう』 『いえいえ』 ケントが所望するネズミの生息地を目指し、ハランの後ろからケントがついてくる。 『ハランの職業って何』 『今はナイト』 『ナイト!?カッコいいな!』 『そうか?なぁケント、装備外してみて』 取り敢えずこいつは男なのか女なのか。 このゲームに親しんでいる宗太ですら、ケントがどっちの性別なのか、珍しいことに判別がつかない。 パーツの一つ一つを男らしい方へ振り幅を寄せた自分とは、違うバランスで作り上げられたアバターだ。 新人に配布される王国の服を装備したケントの素のアバターが見てみたい。 『いいけど。ハラン変態?(笑)』 すぐにケントの装備が外れ、下着姿の身体が現れた。 平らな裸の上半身に下衣は白いショートのアンダーウェア。 無駄にピッタリしていて股間の辺りまでリアルに作られている。 そんなところは自分と同じだ。 「男か」 それにしても華奢な身体だ。男キャラとは思えない作りだった。 どうしたらそんな風に作れるのか。 思わず宗太はキーボードを叩いた。 『小さいねw女かと思った』 『な、失礼な(笑)まぁ自分に似せて作ったから』 『へえ。リアルのケントは小さいんだ』 『(T-T)』 『ww』 『あんま言わないで。悲しくなる』 『気にすんなw着いたぞ』 ハランの知るネズミ出現ポイントへ到着した。 早速ケントを守りながらネズミを狩っていく。さくさくとテンポよくネズミを狩っていると他の冒険者が現れて、ネズミの数が激減した。 ─そろそろ集まったんじゃないか? 『あと何枚?』 『あと1枚。ごめん、時間大丈夫?』 『俺なら平気。いつまででもw』 『えーいいな。俺あと30分くらいしたら落ちなきゃ。晩飯なんだ』 自分を俺と呼ぶことからケントの中のプレイヤーも男だと推測できた。 『じゃ急いで集めよう』 『うん』 『ネズミいないね』 『待つ?それとも移動する?移動に時間取られるけどな』 『じゃあ待つ。あと1枚だし』 『オーケー』 『暇だな。ハランも脱いでよ』 『ん、いいよ』 ハランの装備をパッと外す。 長身で肌は標準的なベージュ。 髪は長めのグレーで顔のパーツ一つ一つが男らしい。 ケントとは正反対の作りだったがハランは宗太の分身。 宗太はケントと同じようにアバターを自分に似せて作っていた。

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