7 / 138
第7話
『カッコいいなぁハラン』
『よく言われるwケントは可愛いな』
『よく言われる(T-T)』
『w』
『俺さぁ男子校なんだけど、シャレにならんモテ期が今訪れてて、男にモテてる』
『マジで?なんで?まさか本当に可愛いからとか?』
ぶはっと宗太は画面を見ながら吹き出した。
「ほんとにそんなヤツいんのかよ。んなことバラして、こいつバカだろ」
『俺も男子校だけど、男にモテてる男は見たことないな』
『ハランも男子校?え、もしかして高校生?』
『そ。ケントも?』
『うん』
雑談しながらハランとケントはネズミを狩り続けた。
チャットしながらだと単純作業も苦ではない。
『ドロップした?』
『うん、揃った!』
『良かったな』
『ありがとう(^_^)v 俺そろそろ落ちるね。 ご飯だってさ』
『ん、おつかれー』
『また遊んで』
『いつでも声かけて。困ってることあれば手伝うし』
『ハラン優しいね、ありがとう。じゃね (^_^)/~』
ケントはその場で跪き祈りのポーズをとる。
このポーズでデータセーブされログアウトする。
次にログインした時はまたこの場所から始まるのだ。
きっとここからまたログインしてグールに絡まれるんだろうなとケントのことを想像し、宗田は口元を緩める。
─ケントか。面白いヤツだったな。
コントローラーを置くと、部屋のドアをノックする音がして、続いて姉の声が聞こえてきた。
「宗太ご飯。いつまでもゲームしてんじゃないよ」
「うるせーな。今行くよ」
ハランもまた、その場でログアウトした。
ともだちにシェアしよう!