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第24話
「大丈夫か?」
健人の腕を掴むその手にぐいっと引っ張ら れ、健人の額が宗太の胸にコツンとぶつかった。
宗太は健人を抱き寄せて、健人の後頭部を撫でる。
異常がないか確認しているみたいだった。
宗太は背も高いし格好いい。それにケンカも強そうだ。
きっと怖いものなんて無いだろう。
─こんな奴は和也と一緒で毎日が充実していて、俺みたいにlostworldにハマったりすることはないんだろうな。
健人はそんなことを思った。
「コブできてんな。ただのコブだと思うけど。気持ち悪かったりしたら念のため医者行った方がいいぜ」
「……うん」
健人は宗太に向けて発する言葉を探していた。不良だけど、根は悪い奴じゃなさそうだ。
宗太の顔を見上げると、艶のある銀髪がキラキラと太陽の光で輝いて見える。
「……原田っ、後ろ!」
その刹那、宗太の後ろにユラリと見えた影。
郷田が立ち上がり宗太の腹を目掛けて回し蹴りを繰り出した。
流石ゴリラだ。一撃じゃ倒れない。
ドスッと嫌な音がして、今度は宗太が地面に転がった。
「原田っ」
健人が宗太に走り寄る。
宗太はすぐに起き上がって郷田を睨みつけた。
しかし口元はよく見るとやはり薄ら笑いを浮かべているようだった。
「先輩は俺の後ろに。離れてろよ」
「……」
─あれ。この感じどこかで……。
健人を隠すように前に出る宗太に妙な既視感を覚え、健人は宗太の背をじっと見つめた。
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