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Lv.9ケント
─もう、最悪最悪最悪!
最悪極まりない一日だった。
健人の機嫌は不機嫌もマックス状態だ。
すべてはあの後輩原田宗太のせい……!
和也が途中で消えたからあんな事にもなったわけで、恨みは和也にまで飛び火した。
本当に有り得ない。
宗太に奪われたキスはファーストキスだったのだ。
郷田から助けてくれたことには大いに感謝しているが、キスして欲しいなんて頼んだ覚えは全くない。
思い出すだけでもかぁっと顔が熱くなる。宗太のせいで健人は残りの授業が上の空となり、全く何を学習しているのか頭に入って来なかった。
ドキドキして、体のあちこちが熱くなり、怖くなった。
─くそっ、何なんだ、あの1年!
郷田だってもちろん有り得ないし許せない。
しかし今は─。
健人はぐしゃぐしゃと自分の髪を掻き回した。
郷田はさて置き、助けてくれた宗太に対しての気持ちだけが大きくて。
それが怒りなのか何なのか正体不明のまま、今日もまたlostworldの世界へと旅立つ。
健人はlostworldにログインした。
PC画面の向こう側、自国のホームポイントでケントがベッドから起き上がる。
すぐに運営からのお知らせがポップアップ表示され、健人はじっと目を凝らした。
「なになに。ハロウィンイベント?街中のジャックオーランタンを倒せ?……報酬はハロウィンコスチュームと武器。…なにこれ面白そう!」
健人は早速コントローラーを握り締めた。
***************
ケントが部屋を出て街へと繰り出す。
「わ……、なんだあれ」
街中の至るところで冒険者達がカボチャのモンスター─ジャックオランタンと戦っているではないか。
自分もやってみたいと思うが果たして自分の強さが通用するのだろうか。
どうしたらよいものか、ぼんやりと周りの様子を伺っていると近くを通りがかった冒険者に声をかけられた。
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