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第33話
いつも見ているゲーム速報というホームページに情報が載っていた。
「何々……レベル差が5以上あれば他国のプレイヤーとも協力出来る。但しクエストは自国で受けること、か。……ケント誘うか」
宗太は確認するとウインドウを閉じてゲーム画面に戻した。
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「ケント誘っていい?」
「お、いいよ~」
「ケント?誰?」
ミレーユが少しむすっと顔をしかめて言う。
「新米冒険者だよ。なんか可愛くてさハランのお気に入りなんだよね」
「うそー……」
ミレーユが態とらしく泣き崩れる。
「いやいや、男の子だから」
「なーんだ。ライバルができたのかと思ってびっくりしたわ」
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そんなジンとミレーユの会話を横目に宗太はケントをフレンドリストで確認した。
するとケントが救援要請を出している。
場所はケントの所属国ウィンディア共和国だ。
ジャックオランタンにやられてるのか?とすぐに察しがついた。
宗太はケントにチャットメッセージを送った。
『ケント大丈夫だったか?』
『ハランおつかれ(^_^)/俺は大丈夫だけど、どうかした?』
『どうかしたって、ヘルプ出してただろ。カボチャと戦ってたのか?』
『え?ヘルプって遠くの人にも見えるの?その場にハランはいなかったよね』
『フレの一覧見るとわかるんだ』
『そうなんだ……なんか恥ずかしい』
『恥ずかしくねーよwイベントどうした?』
『コスチュームはゲットしたよ(^_^)v』
『おめでとう!な、武器クエ一緒にやらねえ?』
『不菊江?』
『ww』
タイプミスだろう。
宗太は画面の前でぶはっと吹き出した。
『ミス(°°;)』
『ケント面白すぎww』
ひとしきり笑い終えて、クエストについて説明した。
ケントはすぐに快諾し、ハラン、ジン、ミレーユの3人がケントの所属国へ向かうことになった。
ハラン達は軌跡の石でウィンディアまでワープし到着したのはウィンディアの街の入り口だ。
ハランはケントに呼び掛けた。
『ケント、着いた』
『はや!えと、俺どこ行けばいい?』
『そこにいて。前にあげたリングジュエル装着してみて』
『うん』
このリングジュエルはハランの親しい仲間である ジン、ミレーユそしてケントにしか渡していない極々プライベートなアイテムで、身に付けるとそれを付けた共通のプレイヤー全員と会話する事ができる。ハランは早速会話をジュエルに切り替えた。
《ケント出来た?》
《ん、多分(*_*;?》
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