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Lv.13ケント

ケントに新しい友達が出来た。 トガーという名前の青いオカッパ頭の女の子だ。 冒険者のスキルや能力の熟練度を上げる、所謂レベル上げを目的とするパーティーで出会った。 同じウィンディアの所属で、何度か草原で互いに見掛けたことがあり、たまたまパーティーを組んだのがきっかけだ。 フレンドになってからというもの、トガーから先に『おつかれさま』とメッセージがが送られてくる。 戦闘中のログを目で必死に追いかけている最中でも、その『おつかれさま』が流れてくるので健人はたびたび吹き出し笑ってしまう。 ハランやジンは国も違うしレベルも違う。そうなるとやりたいことも違ってくる。 ケントの中でハラン達は時々構ってくれるスゴい人達という位置付けになっていた。 だからここ最近はもっぱらトガーがケントの遊び相手だ。 この日もトガーとペアになり、イジー草原の外れでモンスターを狩る。 狩りながらの会話はこの世界のことについてだったが、やがてリアルは何をしているのかというプライベートな内容にまで及んだ。 単調なレベル上げの気分転換には丁度良い。 『えー!ケント高校生なの!?』 『何でそんなに驚くの(笑)』 『いやぁ、若いなぁと思ってさ(*^^*)』 『トガーは?』 『あたしはしがないOLだよ~。あ、オフィスラブじゃないよ~w』 『オフィスレディ?(笑)年上のお姉さまだったんだ?びっくり(@_@)』 キャラクターを動かす見えないプレイヤーが自分より年上の社会人と知って健人はドキドキする。 リアルなのに現実味がなくふわふわとした感じは悪くない。 リアルでは何の接点もない彼女になら、学校での悩みも話してもいいだろうか。そんな気分になってしまった。 『年上でごめんね(x_x)でもゲームでは今までどおり仲良くしてほしいな』 『もちろん!こちらこそ(^^)vところで姉さん』 『何いきなりw』 『男子高校生の悩み聞いてくれませんか(>_<)』 『やーんwケント可愛い~w何でも話して!聞きたいわ!!』 『実は……』 健人の目下の悩みは学校での昼休みのことだった。 宗太にタマゴサンドを強要されてからというもの、半ば強制的に昼休みは屋上に集まるのがパターン化してしまっているのだ。 そしてその面子がまた問題だった。 健人、和也、宗太に神戸。 この奇妙な取り合わせで毎日昼休みを過ごしているのである。 決して居心地がいいとは言えない時間。 気の抜けない毎日を送っているのだ。

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